青山ハッピー研究所 毎週アンケート 第640回 日ごろ、写真を撮っていますか？

調査結果の概要

かつての写真は、家族イベントや旅行など特別な日の思い出を残すものでした。今日、写真はどのような役割を担っているでしょうか？フィルムからデジタルへ、さらにケータイやスマホへと写真の形態は常に進化し続けています。テクノロジーの発達と共に、その被写体や目的も変わりつつあるように感じます。そこで今回、アサヒグループホールディングス株式会社 生活文化研究所では、【写真】をテーマに調査を実施しました。まず、写真を撮影する頻度はどの位でしょうか？尋ねてみました。『週1回以上』と回答した人は36.4％。さらに「月2～3回」「月1回程度」という声も25.2％を数え、全体の6割以上の人びとが最低でも『月1回以上』は何らかの撮影を行っていることが明らかとなりました。撮影時によく使うのは、どんなカメラでしょうか？最も回答が多かったのは「コンパクトデジタルカメラ（コンデジ）」45.8％でした。僅差で2位に「スマートフォン(iPhone、アンドロイドなど)」43.0％、3位に「カメラ付き携帯電話」29.8％が続きました。初めの質問で全体の3割以上の人びとが『週1回以上』の頻度で撮影していることが判りましたが、具体的に1週間にどの位の枚数の写真を撮っているのでしょうか？尋ねてみました。「5～9枚」32.7％と回答した人が最も多く、さらに「4枚以下」31.9％、「10～19枚」20.5％という声が続き、全体の8割以上の人びとは『週20枚未満』の枚数に留まっていることが明らかとなりました。では、皆さんは具体的にどんな被写体を撮影することが多いのでしょうか？最も回答が多かったのは「自然（山・海など）」49.1％でした。さらに3位に「植物・花」26.6％が挙げられました。自然の風景や花、空など、季節や時間で移り変わる自然界の一瞬のきらめきを写すという声が目立ちました。2位は「子ども・家族」37.9％でした。子ども・家族を主役として、家族行事やイベントの楽しい思い出を残すという声が聞かれました。撮影した写真をどのように保管しているのでしょうか？尋ねてみました。最も回答が多かったのは「プリントせず、メモリーカードやパソコンに保存」73.3％でした。2位に「パソコンやオンライン上のアルバムで整理」23.6％、3位に「自宅でプリント(紙焼き)して整理・保管」9.6％が続きました。写真の“データ化”に伴い、写真撮影の目的や用途もひと昔前とはだいぶ変わっています。最後に撮影写真の利用・撮影目的を具体的に見ていきますと、最も回答が多かったのは「旅やイベントなどの思い出を残すため」45.6％でした。アナログ、デジタル時代に関係なく、写真の一番の目的は「思い出」という声が多数寄せられました。確かに数十年前の忘れていた記憶が、一枚の写真を見て、急に鮮明に呼び起こされることがありますよね。そう考えると写真は、私たちの記憶や思い出を補完する大事な役割を担っていると言えるでしょう。人間は忘れっぽい動物ですから、たくさんの記憶や思い出を記憶として留めておくためには、写真を残して時々見返すことが必要なのかもしれません。2位は「忘れないための備忘録として撮影する(メモ代わり)」27.2％でした。メモを取るなら手帳や筆記用具が必要となり、また書き写すのも手間や時間がかかりますが、それが写真メモなら簡単で便利という声。前述の通り、一番の撮影目的は「思い出」であった一方、デジタル時代の写真は、必ずしも長期的な保存を目的とせず、個人的な雑記帳として一時的に記憶すべき事柄が残せれば十分というものも多いようです。さらに3位にも「（特に目的はないが）面白いもの・興味のあるものは何でも撮影している」25.2％が挙げられました。ひと昔前まではフィルム代、現像・プリント代が掛かるため、何を撮るか否か、多くの人びとが神経を使って厳選してシャッターを切っていましたが、容量のある限り何枚でも撮影が可能なデジタル時代においては、それは全く正反対。今は何を撮るか残すかは深く考えず、瞬発的にシャッターを切り、撮影後に必要でなければ削除するという、“消去法スタイル”の撮影が主流となっています。きっと何ら目的がなくても、とりあえず撮影してしまう人が案外多いのではないでしょうか？

調査結果