第一生命経済研究所「地域の公園環境と子どもの外遊び」

調査結果の概要

(株)第一生命経済研究所では、小学生以下の子どもがいる母親を対象に、標記についてのアンケート調査を実施した。まず、子どもの遊び場としての公園環境等について尋ねたところ、地域に「子どもが自由に遊べる公園が少ないと感じている（「非常に少ない・まったくない」＋「どちらかといえば少ない」）母親は63.7％、地域に「公園以外に子どもが自由に遊べる屋外空間が少ないと感じている母親は84.8％を占めた。この回答結果を踏まえ、回答者が居住する地域を次の４つのタイプに分類すると、最も多かったのは「☆クローズ型」58.5％地域であった。つまり、母親の６割近くは、地域周辺に子どもが自由に遊べる公園だけでなく、公園以外の屋外空間も少ないと感じていることになる。地域の公園環境によって、子どもの外遊びの頻度がどのように異なるのか？子どもがふだん、外で遊ばない割合は、未就学では13.7％、小学生では14.3％となっている。これを地域の公園環境評価別に比較すると、子どもが外で遊ばない割合は、子どもが自由に遊べる公園や公園以外の屋外空間が多いと感じる「○オープン型」地域で最も低く、子どもが自由に遊べる公園が少なく、公園以外の屋外空間も少ないと感じる「☆クローズ型」地域で高い傾向が見られる。「☆クローズ型」地域に居住する小学生では２割近く（17.6％）が外で遊ばないと答えており、「○オープン型」地域の２倍以上の水準となっている。ふだん、子どもが外で遊ぶと答えた人に、子どもが外で遊ぶ場所について尋ねると、大都市ほど「公園」「園庭・校庭」「子育て支援施設周辺」「商業施設等」を、また小都市ほど「自宅の庭等」「親族・知人宅の庭等」「自然空間」をあげる人が多い傾向が見られた。子どもが自由に遊べる公園が少なく、公園以外の屋外空間も少ない「☆クローズ型」地域に住む子どもの外遊びの場所は、大都市では「公園」90.3％を挙げる割合が突出して高く、「自宅の庭等」46.2％、「教育・ケア施設周辺」44.1％がこれに続くのに対し、小都市では「自宅の庭等」67.4％を挙げる割合が「公園」64.4％を上回っており、「自然空間」12.9％についても１割強を占めている。子どもの遊び場から見た地域の公園環境によって、母親が感じている地域の住環境への満足度に違いは？公園環境に基づく地域の４タイプのうち、挙げた４つの項目に対し、満足していると答えた人が全て８割を超えたのは「○オープン型」地域のみ。「子育てのしやすさ」については、「○オープン型」「△セミオープン公園以外中心型」「□セミオープン公園中心型」の３タイプの地域が７～９割強であるのに対し、「☆クローズ型」地域では６割弱に留まっている。子どもの遊び場空間が多いと感じる地域に居住する母親では、「子育てのしやすさ」にも満足している人が多いと考えられる。

調査結果