第５回 上場企業の課長に関する実態調査（１）

調査結果の概要

学校法人産業能率大学総合研究所（東京都世田谷区）は、従業員数100人以上の上場企業に勤務し部下を1人以上持つ課長を対象に、職場の状況や課長自身の意識などに関するアンケートを実施し、『第５回 上場企業の課長に関する実態調査』としてまとめました。職場のマネジメントを担う課長に、現在の仕事におけるプレイヤーとしての仕事の割合を０％から100％まで10％刻みで尋ねました。「０％（プレイヤーとしての仕事はやっていない）」と回答したのは全体の1.5％にとどまり、殆どの課長がプレイングマネジャーとして業務を行っています。「91～100％」という回答も4.2％ありました。プレイヤーとしての役割がある課長に対し、プレイヤーとしての活動がマネジメント業務に何らかの支障を与えているかを尋ねました。その結果、プレイヤーとしての役割を持つおよそ6割の課長が、プレイヤー業務はマネジメント業務に『支障をきたしている（「とても支障がある」14.5％＋「どちらかと言えば支障がある」44.5％）』と感じています。課長として最も多く時間を割いている業務について尋ねました。1位の「部下とのコミュニケーション」36.0％と2位の「資料作成」23.5％で全体の6割を占めています。3位には「クライアントとのコミュニケーション」10.9％が入り、その他の項目は全て1桁となっています。課長としての悩みについて尋ねたところ、「部下がなかなか育たない」37.4％が最多となりました。2位は「職場の（or自分の）業務量が多すぎる」28.2％、3位は「部下の人事評価が難しい」24.2％となりました。課長として“組織から最も期待されていること”を尋ねました。上位3項目は「職場運営の方向性を明確に示すこと」25.5％、「メンバーに適切に業務を分担すること」20.6％、「長期的なキャリアを見据えた部下育成」16.8％でした。こうした組織からの期待に対して、“最も応えられているもの”についても尋ねました。その結果、1位は組織からの期待と同様に「職場運営の方向性を明確に示すこと」23.0％となり、2位は「メンバーに適切に業務を分担すること」18.2％となりました。3位には「他部門などとの調整役を果たすこと」16.8％が入っています。（（２）に続く）

調査結果