2019年 中小企業の経営施策(1) |
||||||||
|
調査結果の概要
学校法人産業能率大学は、中小企業の経営者を対象に、経営環境認識や経営方針・施策などを尋ねる調査を実施しました。この調査は2011年から毎年発表しており、今回で9回目となります。調査はインターネット調査会社を通じて実施し、従業員数6人以上300人以下の企業経営者(経営トップ)588人から回答を得ました。最初に、2019年の業績見通しについて尋ねました。業績が昨年に比べて『上回る見込み(「大幅に上回る見込み」+「やや上回る見込み」)』40.1%とする回答が3.4p減少したものの、「大幅に上回る見込み」「やや上回る見込み」「同様となる見込み」とする回答をあわせると82.6%にのぼっています。依然として8 割以上の経営者は近年の好況感を継続し、昨年と“同様以上”の業績を維持できるという見通しを立てています。続いて、人員の過不足状況について尋ねたところ、「適正である」と回答したのは48.1%で、前回調査(44.1%)より4.0p増加しました。一方で、いまだ半数の50.0%は人員が「不足している」と回答しています。人員の充足感に改善の兆しがみえると同時に、依然として人員不足を感じている経営者も多いようです。2019年の経営活動に影響を与えると想定される要因について、選択肢の中から3つまで回答してもらいました。その結果、「人材の不足」が40.5%で最も多く、次いで「国の政策の変化」22.8%、「業界構造の変化」15.8%の順となりました。また、2019年に経営者として最も取り組みたいことを選択肢の中から回答してもらいました。上位3項目をみると「従業員の新規採用」13.4%、「利益率の向上」12.8%、「国内の販路拡大」12.6%といった項目が並びました。向こう3年間で経営上不安に感じていることについて尋ねたところ、「労働力人口の減少および高齢化」が47.6%で最多となりました。次いで「消費税率引き上げによる経済活動への影響」42.5%、「働き方改革への取り組み」28.6%、「東京五輪前後の景気変動」23.0%と続きます。2019年入社の新卒採用活動の実施状況について尋ねました。その結果、85.9%が「実施していない」と回答し、前年調査(16.3%)から2.2p増加しました。((2)に続く)