第一生命経済研究所 女性の継続就業に関するアンケート調査

  • 調査期間
  • 2013/11
  • 調査対象
  • 30~49 歳で首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)と近畿圏(京都、大阪、兵庫)の都府県に住み、民間企業で働く男女 1,037名
  • 調査方法
  • インターネット調査(株式会社クロス・マーケティング社に委託)

調査結果の概要

第一生命保険株式会社のシンクタンク、株式会社第一生命経済研究所では、首都圏・近畿圏で働く30代・40代の男女1,037名を対象に、標記のアンケート調査を実施しました。まず、育児休業を利用したことのある女性正社員に育児休業中の不安の有無をたずねたところ、「復帰後に育児と仕事との両立ができるか不安だった」に約8割(「Aに近い」と「どちらかといえばAに近い」の合計、以下同様)、「職場復帰できるか不安だった」に約6割の人が回答しています。育児休業制度を利用したことのある女性正社員に、育児休業中の過ごし方をたずねたところ、勤め先と「復職時期や復職後の業務についての話し合い(面談)をした」57.4%、「勤め先から定期的に社内報の送付や電子メールなどにより連絡を受けた」36.1%となっています。育児休業制度の利用者と非利用者との比較を行いながら、育児休業からの復帰支援等に対する考えをたずねたところ、「育児休業中も、職場のことがわかるように情報提供が必要である」に対し、女性利用者の9割近くが肯定的な回答(「あてはまる」と「どちらかといえばあてはまる」の合計、以下同様)をしました。また、女性利用者で「育児休業中も、復帰に備えて自分でスキルアップに努めるべきである」に肯定的な回答をした人は約6割となり、「育児休業からの復帰に備えて、会社が育児休業者に対しキャリア形成等の支援体制を整えるべきである」に肯定的な回答をした人が女性利用者の約7割を占めています。一方、育児休業利用者に対する会社による情報提供やキャリア形成支援の必要性について、男女問わず非利用者も7割前後は肯定的な回答をしています。学校を卒業してから現在までの継続就業の実態を性別、就業形態別、従業員規模別にみると、女性正社員は、学校卒業後から就業中断せずに働いている人が約6割であり、学校卒業後「③一時仕事から離れた後も正社員として就業」している人が26.4%を占めています。男性正社員に比べ、継続就業をしている人の割合が低く、就業中断をした人の割合が高いです。再就職経験者が、再就職先を選んだ理由は、女性は正社員、非正社員ともに「勤務時間や勤務日数が自分の生活に合っているから」や「自宅から近いから」の回答割合が高くなりました。最後に、女性が育児をしながら希望通り継続就業できる社会の実現のためには何が必要であるか、国に対する要望をたずねた結果、女性正社員では「希望すれば利用できる短時間正社員制度を企業に義務付けて欲しい」や「保育所を増やして欲しい」への回答割合が高く、男性正社員や女性非正社員では「一度辞めても、再就職をしやすくして欲しい」への回答割合もこれらの項目と同じくらい高くなりました。

調査結果

育児休業中の不安(単位:%)
注:育児休業制度を利用したことのある女性正社員108人対象
育児休業中の過ごし方(複数回答、育児休業制度を利用したことのある女性正社員全体、復帰後に両立できるか不安別)(単位:%)
注:「A:復帰後に育児と仕事との両立ができるか不安だった」は図表で「Aに近い」と「どちらかといえばAに近い」の合計であり、「B:復帰後の両立生活に不安はなかった」は「Bに近い」と「どちらかといえばBに近い」の合計である
育児休業利用者に対する復帰支援等に関する意識(単位:%)
注:「女性利用者」は育児休業制度を利用したことのある女性正社員108人、「女性非利用者」は育児休業制度を利用したことがない女性正社員117人、「男性非利用者」は育児休業制度を利用したことがない男性正社員179人
【①育児休業中も、職場のことがわかるように情報提供が必要である】
【②育児休業中も、復帰に備えて自分でスキルアップに努めるべきである】
【③育児休業からの復帰に備えて、会社が育児休業者に対しキャリア形成等の支援体制を整えるべきである】
【④同じ部署の人が育児休業を取得すると仕事に支障をきたす】
継続就業の実態(性別、就業形態別、従業員規模別)
【男性正社員、女性正社員】(単位:%)
学校卒業後から正社員として働いている学校卒業後、非正社員として働いていた⑥その他
就業中断せず継続就業③一時仕事から離れた後も正社員として就業④就業中断せず、正社員に変更して就業⑤一時仕事から離れた後、正社員として就業
①勤務先も同じ②勤務先は変更
男性正社員(n=223)42.648.44.92.70.90.4
 300人
未満(n=132)
22.065.97.62.31.50.8
 300人
以上
(n=91)
72.523.11.13.30.00.0
女性正社員(n=216)27.330.626.44.610.60.5
 300人
未満(n=129)
12.434.137.24.711.60.0
 300人
以上
(n=87)
49.425.310.34.69.21.1
【女性非正社員】(単位:%)
学校卒業後から正社員として働いている学校卒業後、非正社員として働いていた⑥その他
就業中断せず継続就業③一時仕事から離れた後も非正社員として就業④就業中断せず、非正社員に変更して就業⑤一時仕事から離れた後、非正社員として就業
①勤務先も同じ②勤務先は変更
女性
非正社員
(n=268)
0.78.611.93.475.00.4
 300人
未満(n=166)
1.27.811.42.476.50.6
 300人
以上
(n=102)
0.09.812.74.972.50.0
現在の勤め先を選んだ理由(性別、就業形態別、従業員規模別、複数回答)(単位:%)
【男性正社員】(単位:%)
【女性正社員】(単位:%)
【女性非正社員】(単位:%)
女性が育児をしながら希望通り継続就業できる社会の実現のため、国に望むこと(性別、就業形態別、3つまでの複数回答)
調査実施先:(株)第一生命経済研究所