第一生命経済研究所 死にまつわる迷信、慣習

  • 調査期間
  • 2012/09/13~2012/09/23
  • 調査対象
  • 全国の20歳から84歳までの男女 765名
    <有効回収数(率):713名(93.2%)>
  • 調査方法
  • 質問紙郵送調査法

調査結果の概要

第一生命保険(株)のシンクタンク、(株)第一生命経済研究所では、標記に関するアンケート調査を実施しました。気にするかどうかは別にして、死にまつわる迷信の認知率は全体的に高く、なかでも「北枕にして寝るのはよくない」97.5%、「お葬式に参列したら、自宅玄関や体に塩をまく」96.8%、「友引にお葬式をしたら、縁起が悪い」92.7%は、認知率が9割を超えていました。そのうち、「知っているし、気にする」と回答した人が全体の半数を超えたのは「友引にお葬式をしたら、縁起が悪い」60.2%、「お葬式に参列したら、自宅玄関や体に塩をまく」53.9%でした。死にまつわる迷信のうち、友引葬儀、清め塩に代表される葬式の迷信については生活の中に根強く浸透していることがわかります。次に、子どもの頃、誰から迷信を教わったかたずねたところ、最も多かったのは「親」86.8%で、次いで「祖父母」49.1%、「学校の友人や先生」34.1%と続きました。一方、「誰からも教わったことはない」人は2.4%にとどまりました。年齢層別にみても、「誰からも教わったことがない」人は、どの年齢層でも数%であり、また、「親」から教わった人は8割を超える結果となりました。「祖父母」に教わった人は、54歳以下では過半数を占め、同様に、「学校の友人や先生」と回答した人も54歳以下では半数近くが学校で迷信が話題にのぼった経験を持っていました。1970年代にはこっくりさん、80年代にはトイレの花子さんなど、小中学校で迷信が流行したことなどが、その背景にあったと考えられます。迷信について、全体の21.6%は「人に教えたり、話題にしたりしない」と回答しています。なかでも20~39歳では話題にしない人が27.5%いましたが、子どもの頃に教わった経験がない人は2.6%しかいないため、この世代では言い伝えや迷信の伝達が停滞しているといえます。「悪いことをすればバチがあたると思う」「亡くなった先祖は、私たちを見守ってくれていると思う」「虫の知らせはあると思う」という意見に肯定的な人は8割を超えています。「あの世や来世はある、または存在すると思う」「生まれ変わりや輪廻転生はあると思う」「幽霊や亡霊、人のたたりはあると思う」については、20~39歳と70~84歳との間でそれぞれ20ポイント以上の大きな開きがありました。占いや易を気にするか、という質問に、「あてはまる」「ややあてはまる」と回答した人は、合わせて41.0%となりました。性別でみると、男性より女性の方が13ポイント高い結果となりました。最後に、初詣と、お守り・お札の所有についてたずねたところ、「ほぼ毎年、初詣に行く」66.2%、「お守りやお札をもっている」67.9%と、いずれも7割近い結果になりました。

調査結果

死にまつわる迷信の認知度(単位:%)
迷信を誰から教わったか(全体、年齢層別、複数回答)(単位:%)
日ごろ、迷信を誰と話題にするか(全体、年齢層別、複数回答)(単位:%)
宗教的な心情(単位:%)
宗教的な心情(年齢層別、「そう思う」「まあそう思う」と回答した率)(単位:%)
20~39歳40~54歳55~69歳70~84歳
悪いことをすれば
バチがあたると思う
90.987.583.481.1
あの世や来世はある、
または存在すると思う
63.063.550.041.3
生まれ変わりや
輪廻転生はあると思う
62.368.245.335.8
幽霊や亡霊、
人のたたりはあると思う
59.560.941.133.4
占いや易を気にするか(性別、年齢層別)(単位:%)
初詣、お守りやお札の所有率(年齢層別、単位:%)
調査実施先:(株)第一生命経済研究所