2013年夏休み(7月15日~8月31日)の旅行動向

  • 調査期間
  • 2013/06/05~2013/06/17
  • 調査対象
  • 2013年7月15日から8月31日に実施する1泊以上の旅行に出かける全国15歳以上79歳までの男女個人 1,200名(1地点6名×200地点)
  • 調査方法
  • 専属調査員による個別訪問調査(100%回収)

調査結果の概要

JTBはこの度、「夏休み(7月15日~8月31日)に、1泊以上の旅行に出かける人」の旅行動向の見通しをまとめました。昨年に引き続き、今年も国内旅行が好調と見られ、2013年夏の国内旅行者数は7,624万人となり、調査対象期間を7月15日~8月31日に変更した2000年以降、最高を更新すると期待できます。海外旅行の旅行者数は260万人で、円高の追い風を受けた昨年には届かないものの、2011年に並ぶ高い水準となる見込みです。旅行平均費用は、比較的遠距離の旅行先が人気であることから、国内旅行、海外旅行ともに上昇傾向にあります。総旅行人数・総旅行消費額は、国内旅行の牽引により2000年以降、過去最高となる見通しです。「旅行消費意欲」に対する意向をみても、「旅行の支出を増やしたい」が16.6%と前年同期比で0.2ポイント増加、「支出を減らしたい」が24.8%と同2.1ポイント減少しており、引き続き旅行消費への意向は強いといえます。2013年5月にJTB総合研究所が実施した、「東日本大震災後の生活行動や消費の変化と東北旅行に関する調査」の結果から、生活者の「今の気持ち」としては、「増税や物価の上昇が生活を圧迫しそうだ」と共に「やりたいことを後回しにせず、今できることを大切にしたい」という意識が高く表れています。旅行日数は平均で2.2日で、前年と比較すると0.24日減少しました。今年は2泊3日、3泊4日が増加する一方で、5泊6日と8泊以上が減少しています。「今年の夏の旅行の同行者」については、三世代や家族と友人・知人などのグループが増加し、シニアの消費が活性化していることにより、三世代旅行が増加すると予想されます。「今年の夏の生活や旅行についての意識」については、旅行目的をみてみると、「海辺で保養・海水浴」が9.8%(前年比+32.4%)と増加しており、東日本大震災後に減少傾向だった海水浴目的の旅行が回復していることがうかがえます。「今年の夏の旅行の利用交通機関」では、飛行機が19.9%と昨年より2.7%増加しています。今年の夏の海外旅行は、中国・韓国は低調ですが、アジアの中でも比較的遠距離にあるタイ、マレーシア、カンボジア、ベトナムなどに人気が集まっています。家族連れに引き続き人気のハワイも堅調です。フランス、イタリアや、昨年のオリンピック開催で注目が高まったイギリスなどヨーロッパも好調で、旅行平均費用は増加見込みです。2012年末より実施された経済政策の影響で円安が進み、為替レートは主に現地での消費に影響を与え旅行へ行くかどうかの意思決定への影響は大きくないものの、昨年ほど海外旅行への追い風とはなっていないと考えられます。

調査結果

2013年夏休みの旅行動向数値
2013年夏休み2012年夏休み
推計値前年比前年増減実績推計前年比
総旅行人数7,884万人1.9%+148万人7,736万人2.8%
 国内旅行人数7,624万人2.2%+164万人7,460万人2.7%
 海外旅行人数260万人▲5.8%▲16万人276万人6.2%
国内旅行平均費用35,010円3.8%+1,280円33,730円1.4%
海外旅行平均費用243,200円5.1%+11,800円231,400円1.8%
総旅行消費額3兆3,016億円4.7%+1,470億円3兆1,546億円4.9%
 国内旅行消費額2兆6,693億円6.1%+1,533億円2兆5,160億円4.1%
 海外旅行消費額6,323億円▲1.0%▲63億円6,386億円8.1%
* 旅行人数は、延べ人数数値。平均費用は一人1回あたりの費用
* 国内旅行人数は宿泊を伴う旅行者の人数(観光および帰省目的の旅行に限る)。
  海外旅行人数は出国者数(業務目的の旅行を含む)
* 国内旅行平均費用は、交通費・宿泊費・土産代・食費等の旅行中の諸費用を含む。
* 海外旅行平均費用は、燃油サーチャージ含む。
  旅行先での土産代等の現地支払費用は除く
今後の旅行支出に対する意向の変化(調査月ベース、()は前回との差)
今回
(2013年6月)
前回
(2012年6月)
前々回
(2011年6月)
支出を増やしたい16.6(+0.2)16.4(+2.2)14.2(+0.3)


回数を増やし単価を減らしたい13.3(+1.1)12.2(▲0.3)12.5(▲0.8)
回数を減らし単価を増やしたい6.3(+1.9)4.4(▲1.4)5.8(+0.0)
回数も単価も同程度34.5(▲2.8)37.3(+2.5)34.8(▲1.0)
支出を減らしたい24.8(▲2.1)26.9(▲3.3)30.2(+1.5)
生活者の「今の気持ち」(JTB総合研究所「東日本大震災後の生活行動や消費の変化と東北旅行に関する調査」(2013年5月)から)
夏の国内旅行日数
昨年差
1泊2日37.9▲0.5
2泊3日34.41.4
3泊4日14.82.5
4泊5日4.2▲0.2
5泊6日3.0▲2.1
6泊7日1.20.5
7泊8日2.3▲0.3
8泊以上1.1▲1.8
夏の旅行の同行者
昨年差
家族づれ65.2▲1.0
 子供づれ(中学生まで)28.3▲4.8
 夫婦のみ17.30.2
 三世代11.95.9
 それ以外(母と娘など)7.7▲2.3
家族と友人・知人9.82.1
友人・知人13.3▲1.6
団体(職場・地域など)2.30.7
ひとり5.4▲1.3
今年の夏の旅行目的(10項目抜粋、単位:%)
夏の旅行の利用交通機関
昨年差
乗用車64.0▲0.6
鉄道26.2▲0.6
 JR新幹線16.2▲1.0
 JR在来線・私鉄15.5▲0.5
飛行機19.92.7
長距離バス・貸切バス8.2▲0.4
フェリー・船舶2.3▲1.2
その他0.50.3
2013年夏休み(7/15~8/31)海外旅行人数推計(各国政府・観光局発表の日本人入国者数ならびに法務省統計から推計、単位:万人)
2013年前年比2012年前年比
総数260▲5.8%276+6.2%
アジア合計143.1▲12.0%162.6+7.1%
 中国28.3▲32.3%41.8▲2.3%
 韓国34.3▲24.8%45.6+4.6%
 台湾16.6▲2.4%17.0+18.9%
 香港9.5▲14.4%11.1+2.8%
 タイ18.4+29.6%14.2+39.2%
 シンガポール6.7▲2.9%6.9+11.3%
 インドネシア5.2+15.6%4.5▲6.3%
 マレーシア4.7+20.5%3.9▲4.9%
 (その他)19.4+10.2%17.6+17.3%
北米州合計60.1▲3.8%62.5+7.0%
 ハワイ22.8+0.9%22.6+19.6%
 グアム・サイパン15.0▲5.1%15.8+6.8%
 米国本土±19.1▲9.0%21.0▲2.3%
 カナダ3.2+3.2%3.1▲3.1%
欧州合計42.8+15.1%37.2+2.8%
大洋州合計9.7+2.1%9.5+3.3%
 オーストラリア5.4+0.0%5.4▲6.9%
 ニュージーランド1.1+10.0%1.0+25.0%
 南太平洋3.2+3.2%3.1+19.2%
その他
(アフリカ・中南米等)
4.3+2.4%4.2+5.0%
各年6月末現在の各国通貨レート(資料:東京外国為替相場/T.T.Selling(三菱東京UFJ銀行調べ)、単位:円)
13年12年11年
米ドル99.5980.3182.02
ユーロ130.03100.24117.79
英ポンド154.3127.12133.54
韓国ウォン8.827.087.72
中国元16.3512.9512.92
調査実施先:株式会社JTB