2013年の中小企業の経営施策(2)

  • 調査期間
  • 2012/11/22~2012/12/04
  • 調査対象
  • 従業員数6人以上300人以下の企業の経営者(経営トップ) 645名(男性:626名、女性:19名)
  • 調査方法
  • インターネット調査

調査結果の概要

((1)より続く)事業承継について考えているかを尋ねたところ、半数超の55.8%が「考えている」と回答する一方で、およそ3分の1に達する35.2%が「まだ考えていない」と答えています。「自分の代で廃業にしたい」はおよそ10人に1人の9%でした。事業承継について考えている企業経営者に対して、どのような承継の方法を考えているか尋ねたところ、「親族に承継したい」が42.8%で最多、「親族以外の従業員・役員に承継したい」が32.2%でした。“親族に譲渡"は2年前の調査と比較すると若干割合が下がっています。また、事業承継について考えている企業経営者に対して、具体的な事業承継計画を策定できているか尋ねたところ、「策定できている」は30.8%と3割を超えています。2年前の調査では、「策定できている」は24.6%で、これよりもおよそ6ポイント上昇しており、事業承継計画を策定する取り組みがやや拡がってきている可能性が考えられます。経営者として重要度が高いと考える国による景気対策を尋ねたところ、「消費刺激」が28.4%で1位でした。14年4月に税率アップを予定している消費税について、業績への影響の見通しを尋ねたところ、「業績悪化につながる」がおよそ3分の2の65.4%に達しました。その回答理由を自由記述で尋ねた結果では、「実質売価を上げることができず売上利益の低下になる」(製造業)、「買い控えが起きる」(卸売・小売業)、「3%から5%に上がった時も売上の落ち込みは酷かった。増税されると、個人の節約志向が高まる」(サービス業)などがみられます。一方の「業績向上に寄与する」は5.1%にとどまっています。自由記述では、「一時的な需要喚起が本格的な消費行動につながる」(製造業)、「前倒しによる需要が増加すると思われるため」(卸売・小売業)が挙げられています。あわせて、消費増税にともなう自社製品・サービスへの価格転嫁ができると思うかを尋ねたところ、「価格転嫁は難しい」がおよそ半数の48.8%に達し、「コストアップ分をそのまま価格転嫁できると思う」29.9%、「コストアップ分未満の価格転嫁ならできると思う」21.2%という結果でした。消費増税を見込んだ設備投資計画があるかを尋ねた結果では、「ある」は11.6%にとどまっています。

調査結果

事業承継についての考え(経年)(単位:%)
事業承継の対象(経年)(単位:%)
事業承継計画の策定状況(経年)(単位:%)
重要度が高いと思う景気対策(単位:%)
消費増税に伴う業績への影響(単位:%)
業績への影響見通しの回答理由(単位:%)
業績向上に寄与一時的な需要喚起が本格的な消費行動につながる(製造業)
売り上げには、消費税アップになるが人件費にはかからないから(製造業)
駆け込み需要で、物が動くから(運送・輸送・倉庫業)
短期的にはかけこみ需要が見込まれる(製造業)
前倒しによる需要が増加すると思われるため(卸売・小売業)
業績悪化につながる実質売価を上げることができず売上利益の低下になる(製造業)
消費税分を価格に転換できない(ソフトウェア・情報処理・情報サービス業)
3%から5%に上がった時も売上の落ち込みは酷かった。増税されると、個人の節約志向が高まる(サービス業)
買い控えが起きる(卸売・小売業)
実質的に増税分が値引きされるような傾向になってくる(製造業)
価格に転嫁する必要があるが難しい(卸売・小売業)
消費増税に伴う価格転嫁の見通し(単位:%)
消費増税を見込んだ設備投資計画の有無(単位:%)
調査実施先:産業能率大学