第一生命経済研究所 要介護者の旅行に関する調査(2)

  • 調査期間
  • 2011/11
  • 調査対象
  • 全国の家族を現在介護している男女 800名
  • 調査方法
  • インターネット調査

調査結果の概要

((1)より続く)旅行経験者に対し、要介護者、回答者自身がそれぞれ直近の旅行でどの程度楽しめたか、気分転換ができたか、満足できたかたずねました。それぞれの質問に、当てはまる(「当てはまる」+「やや当てはまる」)と答えた割合は、要介護者が8割前後、介護者は7割以上を占め、ともに多くの人が自分の行った旅行を評価していることがわかりました。旅行非経験者に対し、旅行したことがない理由をたずねたところ、「要介護者が旅行するのは無理だと思うから」(40.6%)、「要介護者が旅行したがらないから」(31.5%)、「自分に時間の余裕がないから」(24.7%)の順に多い結果となりました。旅行非経験者に対し、今後もし要介護者と旅行するとしたら不安なこと、旅行経験者に対しては要介護者と旅行する前に不安だったこと、実際に旅行した際に当てはまったことをたずねました。旅行非経験者が不安(「不安」+「やや不安」)と答えた割合は「要介護者が宿泊先で入浴することが難しい」「目的地での移動が難しい」(それぞれ84.4%)で8割を超えました。旅行経験者が要介護者と旅行する前に不安だった(「不安だった」+「やや不安だった」)と答えた割合は「要介護者が宿泊先で入浴することが難しい」(53.5%)が一番高くなり、旅行非経験者と同じく、宿泊先での入浴が最も大きな気がかりであることがわかりました。旅行経験者が要介護者と旅行した際に当てはまった(「当てはまった」+「やや当てはまった」)と答えた割合は「要介護者が宿泊先で入浴することが難しい」(44.7%)、「自分が疲れる」(43.0%)、「要介護者が移動中にトイレに入ることが難しい」(39.9%)の順に高くなりました。要介護者が旅行することに対する考えをたずたところ、「旅行することは要介護者の心身のためになる」「要介護者の親を旅行に連れていくことは親孝行になる」と思う(「そう思う」+「ややそう思う」)割合はそれぞれ7割以上(76.6%、72.0%)を占めており、多くの人は要介護者が旅行することに対して肯定的にとらえていることが窺えます。要介護者が旅行する環境に対する問題認識と意向をたずねました。「要介護者が旅行するための情報は不足している」(87.5%)、「要介護者が旅行するための設備やサービスは不足している」(85.8%)と思う割合は8割を超え、「旅行を希望する要介護者がもっと旅行できるようになるとよい」(85.9%)という意向を多くの人が持っていることがわかりました。

調査結果

要介護者・介護者の旅行後の評価(n=228)(単位:%)
要介護者と旅行したことがない理由(複数回答、5項目抜粋、n=572)(単位:%)
旅行に対する不安、旅行時の困難(7項目抜粋)(単位:%)
要介護者が旅行することに対する考え(全体、旅行経験の有無別)(単位:%)
要介護者の旅行環境に対する問題認識・意向(全体、旅行経験の有無別)
【問題認識】(単位:%)
【意向】(単位:%)
調査実施先:(株)第一生命経済研究所/(株)クロス・マーケティング