第一生命経済研究所 介護と仕事との両立に関するアンケート調査

  • 調査期間
  • 2011/09/22~2011/10/02
  • 調査対象
  • 全国の20歳から69歳までの正社員として働いている人で、現在あるいは過去に親(配偶者の親を含む)の介護経験がある 953名
  • 調査方法
  • インターネット調査

調査結果の概要

第一生命保険(株)のシンクタンク、(株)第一生命経済研究所では、全国の20歳から69歳までの正社員として働いている人で、現在あるいは過去に親(配偶者の親を含む)の介護経験がある人を対象に、標記についてのアンケート調査を実施しました。現在、正社員として働きながら介護をしている人に、「介護のために、仕事(会社)を辞めたいと思うことがありますか」とたずねたところ、仕事を辞めたいと思うことがある人の69.0%が勤務先の両立支援制度に、51.2%が家族の中での介護分担に不満があることが分かりました。介護のために仕事を辞めたいと思う理由の1位は、「働きながら、在宅介護は難しいから」が39.5%、2位は「親のため、介護に専念したいから」が30.2%でした。介護生活における不安や悩みの1位は、「介護生活がいつまで続くのか不安である(であった)」が80.2%、2位は「介護のために自分の自由な時間がない(なかった)」が65.1%でした。介護中の実際の働き方の1位は、「なるべく残業をしない」が52.2%、2位は「たびたび有給休暇を取得する」が32.5%でした。介護中の希望する働き方について、男性の1位は「フレックスタイム」が19.2%、女性の1位は「介護休業を取得する」が19.5%でした。介護と仕事の両立に関する意識は、「自分は介護と仕事の両立ができている(できた)」の回答割合と他の項目との関連を見ると、会社(職場)は親の介護をしていることに理解をしてくれる(してくれた)」、「勤務先の介護との両立支援制度は充実している(していた)」と回答した人の方が、それぞれあてはまらない人よりも「両立ができている(できた)」と回答した人の割合が高いことが分かりました。介護と仕事との両立が可能であるためには、職場の介護に対する理解や両立支援制度の充実度合いが関係していることがうかがえます。介護と仕事との両立のために必要な支援策では、介護保険制度における介護施設や在宅介護サービスの充実が上位に上がりました。多くの人は、まずは介護を支える制度の充実を期待しており、介護サービスの活用により、仕事との両立生活を乗り切りたいと思っていることがうかがえます。また、自由記述回答では、「(介護は)いつまでという期限が見えないことの不安が大きい」「介護後の自分の生活を考えると仕事を辞めることができない」「両立は難しいが、施設利用のための利用料や生活費を考えると退職できない」など、終わりが見えない不安を抱えつつ、生計を維持するために介護をしながら働き続けなければならないことを感じている人も少なくないことがわかります。

調査結果

各生活分野についての満足度(介護のために仕事を辞めたいと思うか否か別)
【勤務先にある両立支援制度】(単位:%)
【家族の中での介護の分担】(単位:%)
仕事を辞めたいと思う理由(2つまでの複数回答、全体 n=129)(単位:%)
介護生活における不安や悩み(全体 n=849)(単位:%)
介護中の実際の働き方(複数回答、全体 n=849)(単位:%)
介護中の最も希望する働き方(単位:%)
「自分は介護と仕事との両立ができている(できた)」の回答割合
【会社(職場)は親の介護をしていることに理解をしてくれる(してくれた)】(単位:%)
【勤務先の介護との両立支援制度は充実している(していた)】(単位:%)
介護と仕事との両立のために必要な支援策(上位10位、n=849)(単位:%)<複数回答>
http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/ldi/news/news1204.pdf
調査実施先:(株)第一生命経済研究所/(株)クロス・マーケティング