グローバル人材の育成と活用に関する実態調査(速報版)(2)

  • 調査期間
  • 2011/02/18~2011/04/28
  • 調査対象
  • 従業員300名以上の企業(配布数 4,264件、回収数 142件:回収率3.33%)
  • 調査方法
  • 郵送による配布・回収etc

調査結果の概要

海外派遣者を選ぶにあたって重視している要素は、「業務遂行能力」84.3%や「それまでの仕事の経験」62.7%が目立ちました。「業務遂行能力」は最も重視する要素(重視する要素で選択したものから1つを選択)でも56.6%と最も多く、海外派遣者の選抜では、業務遂行能力や経験を重視している企業が多いようです。海外派遣者の平均的な赴任期間(1回あたり)では、「3年」35.8%、「5年」30.9%、「4年」22.2%の順で多く、これらを合わせると9割弱(88.9%)となりました。平均的な赴任期間は「5年以内」に収まる企業が大半でした。海外派遣者に特に求める能力は、「コミュニケーション能力」72.2%、「異文化適応力」69.6%、「英語力」68.4%、「ストレスマネジメント力」53.2%、「職場マネジメント能力」50.6%など、一方、不足している能力は、「英語力」67.6%、「英語以外の語学力」49.3%、「赴任先の歴史・文化・社会に関する知識」40.8%、「財務・会計に関する知識・スキル」40.8%、「異文化適応力」35.2%などが挙げられました。語学力の不足感が強いようです。海外派遣者の体系的な育成の仕組みについて尋ねたところ、「あてはまる」が多いのは、『海外派遣にあたっては、赴任前教育の受講が義務づけられている』 44.0%、『海外派遣者の育成体系を適宜見直している』 31.0%、『海外派遣者に求められる人材像を明確に定義している』 29.8%でした。いずれも半数未満で、それ以外の項目では「あてはまる」とした企業は2割前後。海外派遣者の育成の仕組みが整っている企業は少ないことがわかりました。海外派遣者に対する赴任前教育では「英語」72.6%、「英語以外の赴任先言語」58.9%、「リスク・安全対策」49.3%、「赴任先の業務知識」47.9%、「赴任先の視察」41.1%などが多く実施されており、「語学」と「赴任先で必須となる知識」の習得に重点が置かれています。海外派遣者予備軍(直近ではなく、将来海外に派遣される可能性がある人材)に対する教育の実施状況を見ると、「実施している」が47.6%。「実施を検討している」19.5%と合わせると67.1%。7割弱の企業が実施または検討中です。海外派遣者予備軍の教育に取り組む企業が多いようです。

調査結果

海外派遣者の選抜(n=83)(単位:%)
重視している要素
(3つまで)
最重視している要素
(選択したものから1つ)
業務遂行能力84.356.6
それまでの仕事の経験62.715.7
海外勤務に対する意欲37.316.9
現在の職場での成果・貢献34.97.2
英語力31.33.6
心理適正20.51.2
家族の状況10.81.2
海外での業務経験6.02.4
英語以外の語学力4.80.0
年齢4.80.0
海外留学の経験0.00.0
その他2.40.0
海外派遣の赴任期間(n=66)(単位:%)
海外派遣者に特に求める能力・不足している能力(単位:%)
特に求める能力
(n=79)
不足している能力
(n=71)
英語力68.467.6
英語以外の語学力(赴任先の言語など)36.749.3
異文化適応力69.635.2
ストレスマネジメント力53.219.7
日本の歴史・文化・社会に関する知識17.719.7
赴任先の歴史・文化・社会に関する知識35.440.8
自社の理念・価値観をわかりやすく伝える力32.926.8
社内の人脈11.48.5
プロジェクトマネジメント能力35.419.7
職場マネジメント能力50.626.8
リーダーシップ45.626.8
コミュニケーション能力72.232.4
交渉力32.926.8
部下指導力40.526.8
戦略・マーケティングに関する知識・スキル20.325.4
財務・会計に関する知識・スキル32.940.8
リスクマネジメントに関する知識・スキル25.328.2
海外派遣者の体系的な育成の仕組み(単位:%)
赴任前教育(n=73)(単位:%)
海外派遣者予備軍の教育(n=82)(単位:%)
調査実施先:学校法人産業能率大学 総合研究所