短時間勤務制度に関するアンケート調査 ~短時間勤務制度は定着するか~

  • 調査期間
  • 2010/11/05~2010/11/08
  • 調査対象
  • 首都圏(東京,神奈川,千葉,埼玉)と近畿圏(京都,大阪,兵庫)の7都府県(政令指定都市・中核市を含む)に居住し、小学6年生以下の子どもがいて働いている女性 800人
  • 調査方法
  • インターネット調査

調査結果の概要

第一生命保険(株)のシンクタンク、(株)第一生命経済研究所では、首都圏と近畿圏の7都府県(政令指定都市・中核市を含む)に居住し、小学6年生以下の子どもを育てながら働いている女性800名を対象に、標記についてのアンケート調査を実施しました。まず、短時間勤務制度を知っているか?尋ねたところ、正社員では72.0%、パート・アルバイトでは32.8%が「知っている」と回答、「知っている」と回答した人に、勤務先における短時間勤務制度の有無を尋ねると、「ある」と回答した人は76.7%、利用状況を見ると、「利用対象者であり利用している」32.6%、「利用対象者であるが利用していない」32.1%、「利用対象外なので利用できない」34.4%と、それぞれ約3割ずつとなっています。短時間勤務制度の利用に関する意識として、『自分は短時間勤務でも、実際には職場の雰囲気で所定の時間に帰れないことがある』に肯定的な回答をした人(「あてはまる」と「どちらかといえばあてはまる」の合計、以下同様)が30.6%、否定的な回答をした人(「あてはまらない」と「どちらかといえばあてはまらない」の合計)が69.4%です。その一方、『自分は短時間勤務でも、実際には業務量が多くて、あるいは業務の性質上、所定の時間に帰れないことがある』に肯定的な回答をした人は48.6%です。次に、短時間勤務制度を利用していない人(「短時間勤務制度を知らない」、「同制度を知っていても勤務先に同制度がない」、「同制度があっても利用対象外で利用できない」と回答した人)に、短時間勤務制度の利用を希望するか?尋ねました。「利用したい」が35.0%、「利用したくない」が8.9%、「利用する必要がない」が56.0%でした。子どもの年齢別に見ると、子どもが0~2歳の人は、6割以上が「利用したい」66.7%と回答しています。短時間勤務制度の利用者に、同制度を利用してよかった点を尋ねたところ、最も多かったのは、「育児休業から復帰した後も正社員として仕事を続けられる」75.0%、他方、短時間勤務制度の利用希望者が期待することでは、利用者と同様、育児休業から復帰後の継続就業、及び子育てとの両立を短時間勤務制度に期待している人が多いことがわかります。次に、人事部長に対して尋ねた企業アンケート調査(「企業における仕事と子育ての両立支援に関するアンケート」2010年9月8日~10月1日実施)の結果を見ると、短時間勤務制度を導入している企業における導入効果の認識について最も多かったのは、「女性が出産後も継続して働きやすくなる」88.1%でした。短時間勤務制度の効果について、多くの利用者が継続就業を挙げていましたが、企業も同様の効果を認識しているようです。一方、短時間勤務制度の導入にあたっての問題点では、「短時間勤務者の周りの従業員の業務負担が増えるので調整が難しい」77.1%が最も多い回答でした。

調査結果

短時間勤務制度の認知状況(単位:%)
勤務先での短時間勤務制度の有無(正社員)(上記の正社員で「知っている」の回答者対象)(単位:%)
短時間勤務制度の利用状況(正社員)(上記で「ある」の回答者対象)(単位:%)
短時間勤務制度の利用に関する意識(上記で「利用対象者であり利用している」の回答者対象:n=72)(単位:%)
短時間勤務制度の利用意向(子どもの年齢別)(対象は短時間勤務制度を利用していない人)(単位:%)
短時間勤務制度のよかった点(利用者:n=72)と期待すること(利用希望者:n=90)(2つまでの複数回答)(単位:%)
よかった点期待すること
育児休業から復帰した後も、正社員として仕事を続けられる75.060.0
家事や子育てと両立しながら、正社員として働くことができる66.755.6
子どもの保育所や学童保育のお迎え時間が早くなった(早くなる)13.920.0
子育てのために、ペースを落とした働き方ができる12.513.3
就業時間が限られているので、集中して、効率的に仕事をするように11.12.2
子どもの放課後が安心である2.811.1
子どもを習い事や塾に通わせることができる0.03.3
子育てのための短時間勤務制度の導入効果(対象は上場企業2,100社のうち回答があった企業:n=109)(単位:%)
子育てのための短時間勤務制度の導入の問題点(対象は上場企業2,100社のうち回答があった企業:n=109)(単位:%)
http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/ldi/news/news1108.pdf
調査実施先:(株)第一生命経済研究所