高齢期の外出に対する意向と不安

  • 調査期間
  • 2010/11/01
  • 調査対象
  • 全国の60歳~79歳の男女 800人
  • 調査方法
  • インターネット調査

調査結果の概要

第一生命保険(株)のシンクタンク、(株)第一生命経済研究所では、全国の60代・70代の男女800名を対象に、標記についてのアンケート調査を実施しました。まず、現在・将来の外出の志向・意向について尋ねました。『当てはまる(「当てはまる」+「どちらかといえば当てはまる」)』割合が最も高いのは、『将来、体の機能が低下してもできるだけ外出したい』61.1%でした。続いて、現在および将来の外出の不便さ・不安について、『将来、外出が不便になったら、楽しみが減ると思う』に『当てはまる』割合は62.6%、『将来、自分の体の機能が低下したら、外出が不便にならないか不安である』では43.5%でした。この1年間に自動車を運転した人に対し、運転に対する意識を尋ねました。『現在の自分の生活は自動車に頼りすぎている』と『思う(「そう思う」+「ややそう思う」)』と答えた割合は61.1%に及びました。性別に見ると、男性の方が『自分にとって運転は生きがい・楽しみである』と思う割合が高いです。さらに、自分の運転能力に対する評価や、運転能力が低下した際の運転継続意向について尋ねたところ、『自分の運転能力に自信がある』と『思う』人は61.6%いる一方、『以前に比べて自分の運転能力が低下した』と思う人も56.9%に達しています。また、『自分の運転能力が低下したら運転をあきらめる』と『思う』人は85.6%を占めています。性別に見ると、男性の方が運転能力について『自信がある』『以前に比べて低下した』と思う割合が高く、『低下したら運転をあきらめる』と思う割合が低いです。そして、将来もし体の機能が低下して自動車を運転できなくなったら、どのようになると思うか?尋ねました。『行動範囲が狭くなる』『生活が不便になる』と『思う』人は約9割、「外出回数が減る」「楽しみが減る」と思う人は約8割といずれも高く、「自立した生活が難しくなる」と思う人も半数近いです。性別に見ると、女性より男性で『外出回数が減る』『生活が不便になる』『楽しみが減る』と思う割合が高いです。この1年間に『配偶者が運転する自動車』を使った人に対し、将来もし配偶者の体の機能が低下して自動車を運転できなくなったら、どのようになると思うか?尋ねました。『自分の生活が不便になる』『自分の行動範囲が狭くなる』『自分の外出回数が減る』と『思う』割合はそれぞれ76.5%、65.9%、61.8%です。自分が運転をやめた場合ほどでないにせよ、配偶者が運転をやめた場合にも少なくない割合の人が影響を受けると考えられます。性別に見ると、男性より女性の方がいずれの割合も高くなっています。この1年間に『電車』または『バス』を使った人に対し、将来もし体の機能が低下して電車やバスを使うことが難しくなったら、どのようになると思うか?尋ねました。『行動範囲が狭くなる』『生活が不便になる』『外出回数が減る』と『思う』割合はそれぞれ9割前後、「楽しみが減る」と思う割合も8割強です。性別では女性の割合が僅かに高い傾向が見られます。

調査結果

外出の志向・意向(全体)(単位:%)
外出の不便さ・不安(全体)(単位:%)
自動車とのかかわり(この1年間に自動車を運転した人)(「そう思う」と「ややそう思う」の合計)(単位:%)
現在の自分の生活は
自動車に頼りすぎている
自分にとって運転は
生きがい・楽しみである
全体
(n=445)
61.140.2
男性
(n=284)
60.942.6
女性
(n=161)
61.536.0
自分の運転能力・運転中止に対する意識(この1年間に自動車を運転した人)(「そう思う」と「ややそう思う」の合計)(単位:%)
自分の運転能力に
自信がある
以前に比べて自分の
運転能力が低下した
自分の運転能力が低下したら運転をあきらめる
全体
(n=445)
61.656.985.6
男性
(n=284)
69.459.982.4
女性
(n=161)
47.851.691.3
自分が運転できなくなった場合の生活への影響(この1年間に自動車を運転した人)(「そう思う」と「ややそう思う」の合計)(単位:%)
外出回数が減る行動範囲が狭くなる生活が不便になる
全体
(n=445)
81.390.391.0
男性
(n=284)
84.591.593.3
女性
(n=161)
75.888.287.0
楽しみが減る自立した生活が
難しくなる
運転できなくなっても
他の人には頼りたくない
全体
(n=445)
78.246.567.6
男性
(n=284)
82.446.872.5
女性
(n=161)
70.846.059.0
配偶者が運転できなくなった場合の自分の生活への影響(この1年間に“配偶者が運転する自動車”を使った人)(「そう思う」と「ややそう思う」の合計)(単位:%)
自分の外出
回数が減る
自分の行動範囲が
狭くなる
自分の生活が
不便になる
全体
(n=293)
61.865.976.5
男性
(n=138)
58.063.073.9
女性
(n=155)
65.268.478.7
電車・バスの利用が困難になった場合の生活への影響(この1年間に“電車”または“バス”を使った人) (「そう思う」と「ややそう思う」の合計)(単位:%)
外出回数が減る行動範囲が狭くなる生活が不便になる楽しみが減る
全体
(n=676)
86.790.889.282.7
男性
(n=335)
84.288.788.780.6
女性
(n=341)
89.193.089.784.8
http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/ldi/news/news1109.pdf
調査実施先:(株)第一生命経済研究所