『人との絆やつき合い方』~「無縁社会」の実態~ |
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調査結果の概要
(株)第一生命経済研究所では、全国に居住する60歳から85歳の男女を対象に、標記についてのアンケート調査を実施しました。調査対象者のうち、別居する家族がいる人は541人(全体の81.3%)でした。まず、別居する家族との会話頻度(電話やメールを含む)を尋ねたところ、「ある程度頻繁にある(週に1回~月に数回程度)」39.9%と「日常的にある(毎日~週に数回程度)」29.8%が目立ちました。性別で見ると、女性では「ある程度頻繁にある(週に1回~月に数回程度)」40.9%、「日常的にある(毎日~週に数回程度)」35.5%の順で多いのに対して、男性では「ある程度頻繁にある(週に1回~月に数回程度)」38.7%、「ときどきある(月に1回~年に数回程度)」33.3%と続いており、女性に比べて会話頻度が少ない人が多いようです。ふだん、近所の人とどの程度のつきあいをしているか?尋ねました。「日常的に立ち話をする程度のつきあいはしている」45.8%と回答した人が最も多く、次いで「顔をあわせばあいさつをする程度のつきあいはしている」38.0%となりました。性別に見ると、男性では「顔をあわせばあいさつをする程度のつきあいはしている」45.0%と回答した人が最も多いのに対し、女性では31.1%でしたが、「日常的に立ち話をする程度のつきあいはしている」人が49.4%とほぼ半数いることから、近所とのつきあいが濃密な人は男性より女性に多いようです。また年齢層別にみると、60代では「顔をあわせばあいさつをする程度のつきあいはしている」44.1%と回答した人が最も多いのに対して、70歳以上では29.8%に留まり、「日常的に立ち話をする程度のつきあいはしている」人が48.9%と多くなります。近所の人とのつきあいについて見ると、「お互いに干渉しあわず、暮らしやすいと思う」と回答した人が78.1%もいました。しかし、つきあいの度合い別に見ると、「お互いに干渉しあわず、暮らしやすいと思う」「濃密な人間関係があって、暮らしやすいと思う」を合わせると、暮らしやすさを評価する人が最も多かったのは、つきあいの度合いが高い『互いに相談したり、日用品の貸し借りをするなど生活面で協力し合っている人もいる』人でした。7項目の友人関係のうち、どんな関係の友人がいるか?尋ねた結果、最も多かったのは「一緒にお茶や食事を楽しむ友人」69.4%でした。性別に見ると、男性では「一緒に趣味を楽しむ友人」58.8%、女性では「一緒にお茶や食事を楽しむ友人」80.4%が最も多くなりました。自分が困ったときに、家族、親戚、友人、近所の人は、それぞれどの程度頼りになると思うか?尋ねると、家族が「とても頼りになる」55.0%と回答した人は過半数を占め、家族と強いきずなで結ばれていると『思う(「そう思う」24.8%+「まあそう思う」56.2%)』と回答した人は全体で81.0%。しかし、同居形態別に見ると、『思わない(「あまりそう思わない」+「まあそう思わない」)』との回答に『ひとり』(25.5%)と『夫婦のみ』(13.8%)では、大きな差があることが明らかになりました。
調査結果
- 別居する家族との会話頻度(全体、性別)(単位:%)
- 近所の人とどの程度のつきあいをしているか(全体、性別、年齢層別)(単位:%)
- 近所の人とのつきあいについて(全体、つきあいの度合い別)(単位:%)
- 友人の有無(全体、性別)(複数回答)(単位:%)
全体 男性 女性 一緒にお茶や食事を楽しむ友人 69.4 58.2 80.4 一緒に趣味を楽しむ友人 58.9 58.8 58.7 自分のことを理解してくれる友人 49.3 43.3 55.1 一緒に旅行を楽しむ友人 46.1 39.6 52.4 困ったことがあれば相談しあえる友人 46.0 35.4 56.3 お互いの家を行き来しあう友人 35.2 28.7 41.6 病気になったら助けあえる友人 20.6 13.7 27.1 上記のような友人はいない 8.5 11.3 5.7