『人との絆やつき合い方』~「無縁社会」の実態~

  • 調査期間
  • 2010/08/27~2010/09/12
  • 調査対象
  • 全国の60歳~85歳までの男女(実施先の生活調査モニター)700人(有効回収率 95.3%:665人)
  • 調査方法
  • 郵送調査法

調査結果の概要

(株)第一生命経済研究所では、全国に居住する60歳から85歳の男女を対象に、標記についてのアンケート調査を実施しました。調査対象者のうち、別居する家族がいる人は541人(全体の81.3%)でした。まず、別居する家族との会話頻度(電話やメールを含む)を尋ねたところ、「ある程度頻繁にある(週に1回~月に数回程度)」39.9%と「日常的にある(毎日~週に数回程度)」29.8%が目立ちました。性別で見ると、女性では「ある程度頻繁にある(週に1回~月に数回程度)」40.9%、「日常的にある(毎日~週に数回程度)」35.5%の順で多いのに対して、男性では「ある程度頻繁にある(週に1回~月に数回程度)」38.7%、「ときどきある(月に1回~年に数回程度)」33.3%と続いており、女性に比べて会話頻度が少ない人が多いようです。ふだん、近所の人とどの程度のつきあいをしているか?尋ねました。「日常的に立ち話をする程度のつきあいはしている」45.8%と回答した人が最も多く、次いで「顔をあわせばあいさつをする程度のつきあいはしている」38.0%となりました。性別に見ると、男性では「顔をあわせばあいさつをする程度のつきあいはしている」45.0%と回答した人が最も多いのに対し、女性では31.1%でしたが、「日常的に立ち話をする程度のつきあいはしている」人が49.4%とほぼ半数いることから、近所とのつきあいが濃密な人は男性より女性に多いようです。また年齢層別にみると、60代では「顔をあわせばあいさつをする程度のつきあいはしている」44.1%と回答した人が最も多いのに対して、70歳以上では29.8%に留まり、「日常的に立ち話をする程度のつきあいはしている」人が48.9%と多くなります。近所の人とのつきあいについて見ると、「お互いに干渉しあわず、暮らしやすいと思う」と回答した人が78.1%もいました。しかし、つきあいの度合い別に見ると、「お互いに干渉しあわず、暮らしやすいと思う」「濃密な人間関係があって、暮らしやすいと思う」を合わせると、暮らしやすさを評価する人が最も多かったのは、つきあいの度合いが高い『互いに相談したり、日用品の貸し借りをするなど生活面で協力し合っている人もいる』人でした。7項目の友人関係のうち、どんな関係の友人がいるか?尋ねた結果、最も多かったのは「一緒にお茶や食事を楽しむ友人」69.4%でした。性別に見ると、男性では「一緒に趣味を楽しむ友人」58.8%、女性では「一緒にお茶や食事を楽しむ友人」80.4%が最も多くなりました。自分が困ったときに、家族、親戚、友人、近所の人は、それぞれどの程度頼りになると思うか?尋ねると、家族が「とても頼りになる」55.0%と回答した人は過半数を占め、家族と強いきずなで結ばれていると『思う(「そう思う」24.8%+「まあそう思う」56.2%)』と回答した人は全体で81.0%。しかし、同居形態別に見ると、『思わない(「あまりそう思わない」+「まあそう思わない」)』との回答に『ひとり』(25.5%)と『夫婦のみ』(13.8%)では、大きな差があることが明らかになりました。

調査結果

別居する家族との会話頻度(全体、性別)(単位:%)
近所の人とどの程度のつきあいをしているか(全体、性別、年齢層別)(単位:%)
近所の人とのつきあいについて(全体、つきあいの度合い別)(単位:%)
友人の有無(全体、性別)(複数回答)(単位:%)
全体男性女性
一緒にお茶や食事を楽しむ友人69.458.280.4
一緒に趣味を楽しむ友人58.958.858.7
自分のことを理解してくれる友人49.343.355.1
一緒に旅行を楽しむ友人46.139.652.4
困ったことがあれば相談しあえる友人46.035.456.3
お互いの家を行き来しあう友人35.228.741.6
病気になったら助けあえる友人20.613.727.1
上記のような友人はいない8.511.35.7
困ったときにどの程度頼りになるか(単位:%)
家族と強いきずなで結ばれているか(全体、同居形態別)(単位:%)
http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/ldi/news/news1107.pdf
調査実施先:(株)第一生命経済研究所