20代～60代の男女管理職・一般社員900名に聞いた『女性管理職と職場コミュニケーション』～複雑化する関係性とダイバーシティ～(1)

調査結果の概要

(株)第一生命経済研究所では、全国に居住する20代から60代の会社員を対象に、標記についてのアンケート調査を実施しました。まず、現在の会社でずっと働きたいと思っているか？尋ねたところ、女性管理職の42.3％が「働きたい」と回答。これに「どちらかといえば働きたい」37.7％を合わせると（以下『働きたい』と表記）、８割が『働きたい』と考えていることになります。これに対し、男性一般職は『働きたい』とする割合が63.5％、女性一般職では64.0％となっていました。現在の仕事に対する満足度を見ると、最も高かったのは女性管理職で、「非常に満足している」が17.7％となっており、「まあ満足している」63.7％を合わせると81.4％が『満足している』と回答しています。これに男性管理職が75.5％で続いています。一方、一般職について見ると、男性一般職では59.0％、女性一般職で64.5％となっていました。職場の雰囲気について尋ねたところ、性別や職位の違いによって、回答に大きくばらつきあることがわかりました。全体的に見て、女性管理職は職場の雰囲気の現状について肯定的な意見が多いのに対し、男性一般職は温かみや信頼感への評価が低く、他の属性に比べて成果主義や競争への意識が高い傾向が認められました。職場でのコミュニケーションについて見ると、女性管理職は職場でのコミュニケーションに肯定的な意見が目立ちます。職場内での対人関係問題は男女ともに管理職より一般職で多く、特に女性一般職の23.0％が「ある」と回答していました。男女の差異も興味深いところですが、女性において管理職と一般職で意識に大きな違いがあることが明らかとなりました。職場においてどのような点で性別を意識しているか？尋ねたところ、最も目立ったのは男性管理職における「自分はセクハラについて、常に気を配っている」64.0％でした。これについては、男性一般職が51.0％で続いています。女性管理職では32.0％、女性一般職では22.5％と、女性管理職でも３割以上がセクハラについて気を配っていると回答しました。また、大きな差が見られたのが「自分は異性と仕事をするより、同性と仕事をするほうが楽である」についてです。男性管理職の44.5％、男性一般職の42.0％が肯定しています。会社外の人や友人・知人、地域のネットワークは、男女共に管理職で広いことがわかります。

調査結果