上場企業の課長を取り巻く状況に関する調査(速報版)(2) |
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調査結果の概要
((1)より続く)自分自身のメンタルヘルスに不安を感じたことが「ある」と答えた人にその原因を尋ねた結果では、「上司との人間関係」「成果創出へのプレッシャー」同44.4%、「仕事の内容」43.9%が上位を占めました。「部下との人間関係」36.9%、「仕事の量」36.4%も目立ちます。相談相手を尋ねた結果とともにみると、相談する相手も必ずしもいない中で様々な問題を抱えながら奮闘している様子が窺えます。職場の状況に関し、3年前と比較してどのような変化があるか?を尋ねました。最も回答が多かったのは、「業務量が増加している」54.2%。「成果に対するプレッシャーが強まっている」41.1%も4割を超えています。3年前と比べて、業務量が増え、厳しい成果目標に追われることが増えたと考える課長が多いようです。社会人になった頃に見ていた課長と、いまの自分とを比較してうらやましいことがあるか?を尋ねたところ、「仕事に時間的な余裕があった」49.8%が最も多く、「処遇」40.7%は4割、「成果責任」36.0%、「裁量」34.3%が3割を超える結果でした。昨今の課長は、昔の課長よりも時間・処遇・成果責任・裁量などの面で余裕がないと認識しているようです。仕事と給与のバランスについて尋ねたところ、「仕事の割に給与が低い」が半数以上の55.1%でした。この層に、会社に対してどのような対応をしてほしいか?尋ねた結果では、「給与をあげて欲しい」77.1%が大半を占めました。給与と仕事のアンバランスの解消にあたっては、仕事の見直しより処遇の改善を望む声が圧倒的に多い結果です。あなたの部下は、あなたの言うことや指示をよく聞きますか?と尋ねたところ、「聞く」は88.1%、「聞かない」は11.9%。また、あなたの上司は、あなたの提案によく耳をかしますか?と尋ねると、「耳をかす」は73.6%、「耳をかさない」は26.4%という結果でした。仕事に関する夢があるか?を尋ねた質問では、「ある」58.2%が半数を超えています。今後のキャリアについて、現在の勤務先で最終的にどのような立場・役職になりたいと思うか?を尋ねた結果、プレイングマネジャー化や膨大な業務量を抱え、相談相手が必ずしもいない中にあっても、「プレイヤーの立場に戻る」9.6%は1割弱に留まっていました。部長クラス、役員クラス、経営者をあわせた『いまより出世したい』は57.2%と半数を超えています。ハードな仕事と認識しているものの、課長としての仕事にやりがいも感じている様子を窺うことができます。