上場企業の課長を取り巻く状況に関する調査(速報版)(1)

  • 調査期間
  • 2010/09/28~2010/09/30
  • 調査対象
  • 従業員規模100人以上の上場企業に勤め、部下が1人以上いる課長・マネージャー 428人(男性413人、女性15人)
  • 調査方法
  • インターネット調査

調査結果の概要

学校法人産業能率大学は、従業員規模100人以上の上場企業に勤め、部下が1人以上いる『課長』を対象に、昇任前の経験や、悩み、上司の支援など現在の状況、今後のキャリアなどを尋ねた調査を実施しました。このうち、主だった質問について、単純集計結果を『速報版』としてまとめました。まず、現在の仕事におけるプレイヤーとしての仕事の割合を尋ねたところ、「0%」はわずか1.4%に留まりました。ほとんどの課長がプレイヤーとしての活動を兼務しているようです。プレイヤーとしての活動割合が半分より多い(51%以上)課長は4割に達しています。昨今の課長がプレイングマネジャー化している様子を窺うことができます。プレイヤー活動が職場マネジメントに支障を与えているか?を尋ねました。「支障がある(「かなり支障がある」12.6%+「すこし支障がある」42.2%)」という回答が半数以上の54.8%に達しています。課長になってよかったことを尋ねました。もっとも多く選択されたのは「自分の考えで部下を動かすことができるようになった」44.4%でした。自分の考えに基づいてチームを動かせることにやりがいを感じているようです。一方、悩みを感じていることを尋ねたところ、およそ9割がなんらかの悩みを抱えていました。悩みの内容では、「業務量が多すぎて余裕がない」33.6%が最多。業務量が多いために余裕を持って仕事に取り組めていない課長が多いことがわかります。業務量に続くのは、部下に関する事柄である「部下の人事評価の難しさ」32.9%と「部下がなかなか育たない」29.7%、上司との関係に関する「上司と考え方や意見が合わない」20.8%でした。そして、そのような時に、仕事上の悩みを相談できる人がいるかどうか?を尋ねたところ、「いる」49.8%、「いない」50.2%がほぼ半数ずつでした。2人に1人は悩みを抱えても相談する相手がおらず、自分で抱え込まざるを得ない状況にあるようです。メンタルヘルス面からも懸念される結果と言えそうです。また、「いる」と回答した人に対して、どのような相談者か?を尋ねたところ、「会社の上司」60.6%、「会社の同僚」59.6%が6割前後に達していました。自分自身のメンタルヘルスに不安を感じたことがあるか?を尋ねたところ、「ある」43.7%とした人が4割強に達しました。半数を下回っているとはいえ、昨今の課長を取り巻く状況の厳しさを反映したものといえそうです((2)に続く)。

調査結果

現在のあなたの仕事における、プレイヤーとしての仕事の割合はどの程度ですか。(ひとつ選択)
(前問で「0%」の回答者を除外)あなたのプレイヤーとしての活動が、あなたのマネジメント活動に何らかの支障を与えていますか。(ひとつ選択)
課長になってよかったと思うことは何ですか。当てはまるものをすべて選んでください。
課長として悩みを感じていることはありますか。当てはまるものをすべて選んでください。
あなたには、仕事上の悩みを相談できる人がいますか。
(前問で「いる」と回答)それは誰ですか。当てはまるものをすべて選んでください。
課長になってから自分のメンタルヘルス(心の健康)に不安を感じたことがありますか。
((2)へ続く)
調査実施先:学校法人 産業能率大学