第4回 新入社員のグローバル意識調査(1) |
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調査結果の概要
学校法人産業能率大学は、新入社員の海外志向などを調べました。まず、海外旅行経験の有無を尋ねた結果、「ある」のは73.2%でした(旅行の回数では「1回~2回」47.8%が約半数を占めています。平均回数を算出したところ「3.0回」でした)。海外留学は、期間にかかわらず経験があるのは19.7%と2割弱(留学期間は「半年未満」が60.8%、「半年~1年未満」が20.3%と、「1年未満」がおよそ8割を占めていました)。海外旅行は7割以上が経験していますが、留学はあまり多くないようです。語学を勉強したいと思うか尋ねた質問では、「すでに勉強している」19.7%のは2割弱でした。「勉強したい」61.9%と回答した人を見ると、『会社が全て費用を負担してくれるなら』が22.8%、『会社が一部でも費用を負担してくれるなら』が25.8%、『自分で費用全額を負担してでも』が13.3%でした(勉強したい言語を尋ねた結果では、英語が95.5%。中国語がこれに続いて35.2%でした)。海外で働きたいと思うかを尋ねた質問では、「働きたいとは思わない」49.0%が最多、一方、「どんな国・地域でも働きたい」という高い海外志向を持つ人は27.0%いました。「国・地域によっては働きたい」が残りの24.0%でした。海外留学の有無別にクロスすると、海外志向に違いが見られ、短期・長期問わず海外留学経験がある層は「どんな国・地域でも働きたい」48.1%がおよそ半数弱。「国・地域によっては働きたい」も36.7%あり、「働きたいとは思わない」は15.2%に留まっています。一方、留学経験がない層は「働きたいとは思わない」57.3%が6割弱に達しています。当たり前のことではありますが、海外で生活する経験は海外志向に影響を与えるようです。海外で『働きたい』(「どんな国・地域でも働きたい」「国・地域によっては働きたい」の合計)人に理由を尋ねた結果、「自分自身の視野を広げたいから」82.8%、「日本ではできない経験を積みたいから」77.9%が多くの人から選択されていました。一方、海外で働きたくないと思う理由では、「海外勤務はリスクが高い」56.1%、「自分の能力に自信がない」54.6%のほか、そもそも「海外に魅力を感じない」も44.4%ありました。米国などの先進国、中国などの新興国、東南アジア・アフリカなどの途上国と3つに分けて、どの程度働いてみたいと思うかを尋ねました「働きたいと思う」は先進国では37.0%と4割弱あったものの、新興国ではこれが11.3%、途上国では8.5%でした。「どちらかといえば働きたいと思う」と合わせた値でも、先進国は67.8%に達する一方、新興国では34.6%、途上国では25.0%に留まっています。新興国と途上国は「働きたくない」という強い拒否感がいずれも4割を超えています。経済成長が見込まれるこうした地域でチャレンジしようとする意欲はあまり高くないようです((2)に続く)。