第一生命経済研究所「お墓のゆくえ-承継問題と新しいお墓のあり方-」(2)

  • 調査期間
  • 2009/09
  • 調査対象
  • 全国の35歳~79歳の男女 600人(有効回収率97.3%:584人)
  • 調査方法
  • インターネット調査

調査結果の概要

((1)より続く)無縁化防止対策についての考えを無縁墓になる可能性の有無別に見ると、無縁化する可能性がないと思っている人(「無縁墓になる可能性はほとんどない」+「無縁墓にはならない」)では、「寺や教会などが子孫に代わって管理する」「市町村など自治体が子孫に代わって管理する」といった、墓の永続性を志向しているのに対し、無縁化する可能性があると思っている人(「近いうちに無縁墓になる」+「いつかは無縁墓になる」)では、「期限付きのお墓にして、継承する人がいなければ期限後に合葬する」39.6%や「散骨をするなど、お墓をなくせばよい」14.8%など、必ずしもお墓の永続性を志向しない回答が過半数を占めています。そこで、血縁や婚姻関係を超えた人たちで一緒に入る共同のお墓(合葬式のお墓)についての考えを尋ねたところ、「お墓としては好ましくない」と回答した人は僅か5.8%で、「自分は利用したくないが、承継者の問題などから普及するのはやむをえない」と考えている人が49.3%と半数近くになりました。また「生前に知っている友人や家族などと一緒であれば、自分は利用してもよい」「知らない人と一緒でも、自分は利用してもよい」と考える人を合わせると、29.2%の人は合葬墓に入ってもよいと考えています。これを性別で見ると、合葬墓に入ってもよいと考えている女性は34.2%になりましたが、男性では同23.8%と10ptほど少なくなっています。年齢層別では、合葬墓に入ってもよいと考えている人は、64歳以下では合わせて3割以上いましたが、65~79歳では21.9%に留まりました。海や山に遺骨を撒く散骨について尋ねたところ、「葬法としては好ましくない」と考えている人は14.7%で、「自分はしたくないが、他人がするのは構わない」と回答した人が55.1%と過半数を占めました。一方、「自分は遺骨を全部撒いてもらいたい」17.0%、「自分は遺骨を一部だけ撒いてもらいたい」11.8%を合わせると、散骨をしたい人は28.8%になりました。これを性別で見たところ、男性では「自分はしたくないが、他人がするのは構わない」と回答した人が60.5%もおり、女性の50.0%を10pt以上上回っていますが、女性では散骨をしたい人が34.6%と、男性の22.7%より10pt以上多くなりました。年齢層別では、65~79歳では「葬法としては好ましくない」と考える人が24.0%もいて、散骨をしたい人は19.9%に留まりましたが、64歳以下では、「葬法としては好ましくない」とする人は1割程度で、散骨をしたい人は3割を超えていました。つまり、散骨を希望するかどうかは性差もありますが、65歳以上と65歳未満とでは、散骨を葬法として好ましいと思うかという感覚自体にも違いが見られました。さらに、散骨希望者に、その理由を尋ねたところ、「自然にかえれるから」がどちらも過半数と最も多く、ついで「お墓参りで家族に迷惑をかけたくないから」となりました。

調査結果

((1)より続く)
無縁化防止対策についての考え(無縁墓になる可能性の有無別) (単位:%)
合葬墓についての考え(全体、性別、年齢層別) (単位:%)
散骨についての考え(全体、性別、年齢層別) (単位:%)
散骨したい理由(3つまで選択) (単位:%)
【http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/ldi/news/news1007.pdf】
調査実施先:(株)第一生命経済研究所