働く人630名に聞く「職場のストレス・不安」とその対策 |
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調査結果の概要
(社)日本産業カウンセラー協会は、全国の産業カウンセラーを通して、ストレスとストレス対策に関し聞き取り調査を行いました。その結果を見ると、職場・仕事、または仕事の将来のことなどについて感じているストレス・不安の程度について、「かなりある」は21.0%、「それなりにある」は63.2%で、84.2%もの方がストレスや不安を感じていました。また、強いストレスの一つの目安として挙げられるのが、『睡眠障害』ですが、「しばしばある」4.9%、「たまにある」26.0%を合わせて、3割以上(30.9%)の方に睡眠の問題がありました。ストレスを感じる中、74.9%の方が、「意識して実践しているストレス予防法がある」と答えています(その内容としては、「十分な睡眠の確保」66.7%、「家族や友人とのおしゃべり」48.9%、「おいしいものを食べる」39.8%など、手軽にできて、身近なことによる気分転換が実践されているようです)。また、ストレス対策を講じたいにも関わらず実行できていない方も12.4%おり、その理由としては「時間がない」66.7%、「おっくう・気力が出ない」39.7%、「何をやっていいのかわからない」34.6%などを挙げています。【職場でストレスを感じた時や悩んだりした時】の対応として、「自主的に気分転換などをして解消につとめる」53.5%や「周囲の人に相談する」46.0%との回答が多く、意識的な対応策をとっていることが窺えます。さらにストレス度が重い場合、【強い不安や将来が見えなくなったと感じた時】の対応では、「周囲の人に相談する」55.2%や「自主的な気分転換で解消に努める」43.0%の他、「休暇を取る」34.3%方が多くなっています。また、いずれの場合も、相談でなく「自分自身で解決法を考える」との回答が3割以上ありましたが、これは自らより積極的に対応せざるを得ないという、切羽詰まった状況の裏返しかもしれません。周囲の人に相談する場合の相手としては、「友人」、「同僚」、「家族」が多く、「上司」との回答はそれらと比べて少なめです。『産業カウンセラー』に対するイメージを尋ねたところ最も多かったのは、「話を聞いてくれる」80.0%でした。産業カウンセラーは、職場の問題に詳しい、働く人たちを主な対象として活動しており、その手法として『傾聴』=話を聞くことを最も重視しています。産業カウンセラーの役割に対して、ほぼ正しく認識していることが窺われました。実際に相談したことがある方は11.9%(相談した結果、『満足(「大変良かった」45.3%+「まあまあ良かった」49.3%)』という方は94.6%)、そして、6割の方が「機会があれば相談してみたい」61.0%と回答しています。
調査結果
- 【A:職場でストレスを感じた時や悩んだりした時】/【B:強い不安や将来が見えなくなったと感じた時】、どうしていますか。(複数回答可) (単位:%)
【A】 【B】 自主的に気分転換などをして解消に努める 53.5 43.0 周囲の人に相談する 46.0 55.2 自分自身で解決法を考える 36.5 31.7 休暇をとる 18.3 34.3 カウンセラーと面接する、カウンセリングに行く 4.0 13.0 産業医と面接する、産業医に行く 2.9 13.2 電話/面接サービスなどを利用する 1.6 4.4 その他 3.0 2.7 特に何もしない/できないと思う 14.1 7.9 - 上記で周囲の人に相談する場合、誰に相談しますか。(複数回答可) (単位:%)
【A】 【B】 友人 63.4 51.4 家族 60.0 63.2 同僚 59.3 44.0 上司 32.1 37.9 人事部 2.1 3.4 組合 1.4 0.6 その他 5.9 8.0 - “産業カウンセラー”の仕事や役割について、あなたがイメージすることをいくつでもお答えください。(上位5位まで) (単位:%)
- 今までに産業カウンセラーに相談してみたことはありますか。 (単位:%)
- 上記設問で「相談してみた」と回答した方は、相談していかがでしたか。 (単位:%)