第一生命経済研究所「共働き家族のライフデザインと居住選択に関するアンケート調査」

  • 調査期間
  • 2009/11
  • 調査対象
  • 首都圏在住の夫婦とも民間企業の正社員として働く30歳~44歳の既婚男女 770人
  • 調査方法
  • インターネット調査

調査結果の概要

第一生命保険(株)のシンクタンク、(株)第一生命経済研究所では、首都圏に居住し、民間企業の正社員として働く既婚男女を対象に、標記についてのアンケート調査を実施しました。まず、子どもがいる世帯の割合を見ると、子どもがいる世帯の割合は妻の労働・通勤時間が短いほど高い傾向があり、妻の労働時間が8時間未満だと持家世帯69.4%、賃貸住宅世帯45.8%ですが、妻の労働時間が10時間以上だと持家世帯22.9%、賃貸住宅世帯19.5%となります。通勤時間で見ても同様の傾向があります。次に、回答者が現在の住まいを選択した理由を見てみましょう。提示した選択肢(20項目)のうち、最も多く挙げられたのは、「家賃、住宅・土地の価格」51.7%という経済的理由でした。「最寄駅までの近さ」37.7%と「広さや間取り、日当たりや風通し、耐震性など」32.6%がこれに続きます。フルタイム共働世帯の住宅の購入意向を見てみましょう。住宅の購入意向があると答えた割合(「5年以内に土地・戸建住宅を購入したい」「5年以内にマンションを購入したい」「いずれは、土地や住宅を購入したい」の合計)は、現在持家に居住する世帯では30.2%、賃貸住宅に居住する世帯では78.3%を占めています。「5年以内に土地・戸建住宅を購入したい」「5年以内にマンションを購入したい」「いずれは、土地や住宅を購入したい」と答えた人に、住宅購入の目的について尋ねたところ、現在の居住形態にかかわらず、最も多く挙げられたのは、「広さや間取りなど、よりよい条件の住宅に住むため」で、持家世帯の70.8%、賃貸世帯の61.6%となっています。一方、2位以下は持家世帯と賃貸世帯で異なり、持家世帯では「家族やライフスタイルの変化に合わせて住み替えるため」36.3%がこれに次ぐのに対し、賃貸世帯では「家賃がもったいないから」53.2%が第2位になっています。一方、「今のところ、土地・住宅の購入は考えていない」と答えた人に、その理由を尋ねたところ、回答は持家世帯と賃貸世帯で大きく異なり、前者では「今の住まいに永住するつもりだから」62.5%、後者では「家族やライフスタイルの変化に合わせて住み替えたいから」41.9%が最大の理由として挙げられました。なお、賃貸世帯の非購入理由は持家世帯に比べて分散する傾向にあり、「住宅ローンという大きな負担を負いたくないから」27.9%、「土地や住宅の資産価値がどうなるかわからないから」20.9%といった土地・住居の所有をめぐる経済的リスクに関わる理由、「転勤があるかもしれないから」19.8%、「将来、親から相続される土地・建物に住む予定があるから」18.6%)といった理由を挙げる人が持家世帯に比べて多くなっています。

調査結果

子どもがいる世帯の割合(現在の居住形態、妻の年代・労働・通勤時間別) (単位:%)
【持家】【賃貸】
<居住形態別>
52.7(n=374)全体(n=396)31.8
<年代別>
50.7(n=144)34歳以下(n=226)31.0
53.7(n=147)34-39歳(n=112)33.0
54.2(n=83)40歳以上(n=58)32.8
<労働時間別>
69.4(n=183)8時間未満(n=142)45.8
43.2(n=118)8-9時間未満(n=147)29.9
28.9(n=38)9-10時間未満(n=66)13.6
22.9(n=35)10時間以上(n=41)19.5
<通勤時間別>
65.6(n=96)30分未満(n=101)42.6
46.6(n=176)30-60分未満(n=196)26.5
51.0(n=102)60分以上(n=99)31.3
注:労働・通勤時間はいずれも1日あたり(ただし、通勤時間は片道の所要時間です)
現在の住まいの選択理由(全体:n=770)
今後の住宅購入意向(現在の居住形態、家族形態別)
住宅購入の目的(住宅の購入意向をもつ人)(現在の居住形態別)(複数回答) (単位:%)
持家
(n=113)
賃貸
(n=310)
広さや間取りなど、よりよい条件の住宅に住むため70.861.6
家族やライフタイルの変化に合わせて住み替えるため36.318.1
子どもの誕生や成長などに備えるため23.934.8
不動産を所有して資産を形成するため23.017.7
住居を所有して、自分の老後生活に備えるため14.223.5
仕事の継続や、仕事と子育ての両立をしやすくするため16.812.6
家賃がもったいないから12.453.2
住宅ローンや家賃など、住居費の負担を減らすため6.213.5
親の介護や老後生活に備えるため5.32.9
勤務先からの家賃補助などが終了するため7.7
住宅の購入を考えていない理由(今のところ、土地・住宅の購入は考えていないと答えた人)(現在の居住形態別)(複数回答) (単位:%)
持家
(n=261)
賃貸
(n=86)
今の住まいに永住するつもりだから62.53.5
購入するための資金が用意できそうにないから19.918.6
雇用や収入の見通しが不透明だから13.414.0
住宅ローンという大きな負担を負いたくないから12.327.9
家族やライフタイルの変化に合わせて住み替えたいから8.841.9
土地や住宅の資産価値がどうなるかわからないから5.420.9
金利や土地価格の見通しが不透明だから4.610.5
将来、親が住んでいる家に同居する予定があるから3.414.0
転勤があるかもしれないから3.419.8
将来、親から相続・贈与される土地・建物に住む予定があるから1.918.6
いろいろなタイプの住宅に住んでみたいから0.84.7
【http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/ldi/news/news1006.pdf】
調査実施先:(株)第一生命経済研究所