第一生命経済研究所「難聴・聴覚障害に対する理解」 |
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調査結果の概要
第一生命保険(株)のシンクタンク、(株)第一生命経済研究所では、全国に居住する20代から70代の生活者を対象に、標記についてのアンケート調査を実施しました。まず、現在は付き合いのない人や亡くなった人も含め、難聴者等が周りにいたことがあるか?を尋ねたところ、「いたことがない」人が24.9%でした。すなわち、およそ4人に3人の周りには、難聴者等がいたことになります。さらに、難聴者等が周りにいたことがある人に、最もよく接している(接していた)難聴者等について尋ねました。その続柄は「同居していない家族・親戚」の割合が38.1%で最も高くなっています。これと「同居している家族」17.2%と合わせると、家族・親戚の割合は半数を超えます。また、その人の年齢、聞こえにくくなった年齢、聴力を見ると、高齢で、聞こえにくくなった年齢が「60歳以降」で、「ある程度は聞き取れる」人の割合が高いです。加齢によって聞こえにくくなった人が周囲に多いことが推測できます。難聴者等が用いるコミュニケーション方法(音声の聞き取り、口の形の読み取り、手話など)に関して、誤解や認識不足が多いと考えられた事項を挙げ、どの程度知っているか?尋ねた結果、『相手の口の形を見て、会話の内容を理解することがある』については84.0%の人が「知っていた(「何となく知っていた」を含む)」と答えました。一方、『耳が聞こえないために日本語の読み書きを苦手とする人がいる』ことについては、「知らなかった(「あまり知らなかった」を含む)」人が過半数(52.3%)でした。難聴者等との会話に関して、抵抗感や恥ずかしさなどをどの程度感じるか?尋ねました。「感じる(「とてもそう感じる」+「ややそう感じる」)」と答えた割合は低いです。上位の『筆談は面倒である』『相手の顔を見て話すのは恥ずかしい』『口を大きく動かして話すのは恥ずかしい』でも2割程度でした。周りに難聴者等がいたことがある人に対して、最もよく接している(接していた)難聴者等と会話する時の対応方法を尋ねました。その結果、『ゆっくり話す』『大きめの声で話す』『相手の顔を見て話す』『相手から顔を見やすい位置や聞こえやすい位置で話す』ことをしている(「そうしている(そうしていた)」+「ある程度そうしている(そうしていた)」)割合は8割を超えました。これらに比べると『口を大きく動かして話す』65.9%、『身ぶり手ぶりをつけて話す』53.2%ことをしている割合はやや低くなっています。また、『筆談をする』21.6%、『手話を使う』8.5%の割合はさらに低いです。