第一生命経済研究所「地域とのかかわりと教育に関するアンケート調査」

  • 調査期間
  • 2009/09
  • 調査対象
  • 全国に居住する小学生の子どもを持つ母親 800人(有効回収率95.0%:760人)
  • 調査方法
  • 質問紙郵送調査法

調査結果の概要

(株)第一生命経済研究所では、全国に居住する小学生の子どもを持つ母親を対象に、標記についてのアンケート調査を実施しました。現在、地域社会ごとに様々な教育施設等があります。これらの施設に対する小学生の利用状況と利用意向を見ることで、地域社会の教育施設等に対する評価を窺うことができます。そこでまず、身近な地域社会(おおよそ小学校区よりも広い中学校区等、子どもが気軽に足を運べる範囲)にある教育施設等の小学生の利用状況を見てみましょう。『図書館で本を借りる』については、「月に1回以上」という回答割合が59.0%を占めています。「利用・参加したことがない」が5.8%と、ほとんどの人が利用しており、図書館は多くの小学生にとって身近な教育施設であることがわかります。一方、『美術館で鑑賞したりイベントに参加する』は、「月に1日以上」が1.3%であり、極めて少ない利用頻度でした。地域社会における子育て・教育環境の様々な場面について尋ねた結果を見ると、肯定的な回答(「とてもそう思う」と「まあそう思う」)が多かった項目の上位3位は、『親同士のつながりや近所づきあいがある』73.4%、『信頼できる住民が多い』69.3%と『治安がよい』67.5%で、地域の人間関係や治安について、多くの人が肯定的な評価をしています。一方、『放課後子ども教室が充実している』19.7%、『児童館で子どもが参加しやすいイベント等が充実している』33.5%、『図書館や公民館、スポーツ施設等で子どもが参加しやすいイベント等が充実している』33.5%、『地域におけるスポーツや芸術等のクラブ活動が充実している』36.7%等の肯定的な回答割合は低くなっています。小学生の母親は、子どもが健やかに成長するため、地域社会における子育て・教育環境の様々な場面について、具体的に何をどの程度望んでいるのでしょうか。「現状より強く望む」の回答割合が高い上位2位は『子ども同士で安心して外遊びができる場所の充実を図る』58.0%と『子どもの安全を守る』50.4%でした。多くの人が、地域社会の安全性確保を強く望んでいることがわかります。子どもは、家庭、学校、地域社会等、様々なところで学び、育っていくものと思われます。ただし、学ぶべき内容によって、学ぶ場所が異なるということもあるでしょう。そこで、『学力』『基本的な生活習慣』『社会のルール』『人とのつきあい方』を挙げて、それぞれ身につけるべき場所(もの、ところ)を3つまで尋ねました。いずれの項目も、「家庭」と「学校」に多くの人が回答していますが、『社会のルール』については「地域の人々との交流」に51.3%の人が回答しています。子どもの健全育成のため、社会のルールを学ぶ場として、地域社会に一定の役割を期待している人が多いことがわかります。

調査結果

地域社会における教育施設等の利用頻度 (単位:%)
地域社会の子育て・教育環境についての現状認識 (単位:%)
子育て・教育環境の様々な場面・状況についての要望の強さ (単位:%)
何をどのようなところで身につけるべきと考えているか(3つまでの複数回答) (単位:%)
学力基本的な
生活習慣
社会の
ルール
人との
つきあい方
家庭75.598.683.463.7
学校96.279.779.984.3
地域の人々との交流1.632.951.335.4
友達同士の交流5.837.542.080.4
学校外の活動(※)22.421.422.520.4
本、テレビ、新聞等23.24.74.60.4
学習塾56.20.40.30.5
(※)クラブ活動や習い事
【http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/ldi/news/news1004.pdf】
調査実施先:(株)第一生命経済研究所