中小企業の経営・採用方針2010【経営者対象調査】

  • 調査期間
  • 2009/11/20~2009/12/01
  • 調査対象
  • 従業員数10人以上300人以下、資本金規模3億円以下の企業経営者(トップ) 668人(男性628人、女性40人)
  • 調査方法
  • インターネット調査

調査結果の概要

学校法人産業能率大学は、中小企業の経営者を対象に2010年の経営方針や採用方針などを尋ねました。まず、2010年の経営活動で『ボトルネック』になりそうなものを尋ねたところ、「需要の減少」48.4%が最多でした。次に、取り組みたいことを尋ねると、「利益率の向上」44.0%が1位。以下「営業力の強化」43.9%、「従業員の全体的な育成」42.2%が続いています。厳しい不況下において、なんとか営業力を高めて売上を確保するとともに、利益率を向上して体質を強化したいとの思いを読み取ることができます。また、これらを実現するために人材教育の必要性を実感していると推察できます。新興国企業の成長・日本進出などを踏まえて、中小企業ならではの生き残り策を聞きました。最も回答が多かったのは「柔軟な顧客対応」60.0%。これに「高品質の製品・サービス開発」44.3%、「ニッチ・未開市場への特化」32.3%が続いています。人口減少傾向で将来的な市場縮小も見込まれる日本から、海外への進出を考えているか?尋ねたところ、8割弱が「検討していない」77.8%という結果でした。緊急時に事業を引き継げる後継者は?適切に事業を引き継げる後継者がいるのはわずか12.6%。「暫く不安定かもしれないが、後継者になり得る人材がいる」41.5%という、後継者候補が少なからずいるのは約4割。そして、残りの46.0%は「企業の存続が危ういほど後継者がいない」と回答していました。また、「後継者がいない」と回答した人に、その理由を尋ねると、「経営を担えるだけの素養のある人材がいない」40.7%が最多でした。新卒採用の実施状況について、「定期的に実施」は10.5%に留まるものの、「不定期だが実施している」31.3%と合わせて、4割強で新卒採用を実施していました。定期・不定期で新卒採用を実施していると回答した層に、2010年4月入社の状況と、2011年4月入社の方針を聞きました。間近に迫った2010年4月入社について、「当初の予定より質・人数ともに下回った」は21.5%、「当初の予定の質は確保できたが、人数は予定を下回っている」も12.2%で、この2つをあわせた33.7%は、採用人数が当初の予定よりも不足していると回答しています。中小の一部では、採用数の不足感がまだあるようです。2011年4月入社の採用については、「予定なし」は17.9%に留まっており、「積極的に採用したい」が11.5%、「よい人材がいれば採用したい」が70.6%ありました。この1年でビジネスチャンスになりそうな注目しているイベントや出来事などのトピックスを尋ねました。最も多かったのは、「2010年上海万国博覧会」10.9%でした。

調査結果

2010年に、貴社の経営でボトルネックになりそうなものは何ですか。(全体:n=668)(複数回答)(上位5位まで) (単位:%)
2010年に取り組みたいことを最大5つまで選んでください。(全体:n=668)(上位5位まで) (単位:%)
新興国企業の成長・日本進出を踏まえて、中小企業としての生き残り策はどのようなものがあると思いますか。3つまでお答ください。(全体:n=668)(上位5位まで) (単位:%)
人口減少傾向で将来的な市場縮小も見込まれる日本から、海外への進出を検討していますか。(全体:n=668) (単位:%)
あなたがなんらかの事情で急に経営トップを継続できなくなった場合、引き継げる後継者はいますか。(全体:n=668) (単位:%)
(後継者がいないと回答した人)引き継げる後継者がいない理由として最も近いものを選んでください。(n=307) (単位:%)
新卒(大卒・高卒等問わず)採用は実施していますか。(全体:n=668) (単位:%)
(新卒採用を実施していると回答した人)2010年4月入社の新卒採用について、最も近いものをひとつ選んでください。(n=279) (単位:%)
(同上)2011年4月入社の新卒採用について、最も近いものをひとつ選んでください。(n=279) (単位:%)
2010年にビジネスチャンスにつながりそうだと思うイベント・出来事などのトピックスを自由にお書きください。 (単位:%)
調査実施先:学校法人 産業能率大学