少子化問題に関する意識調査

  • 調査期間
  • 2009/06/04~2009/06/15
  • 調査対象
  • 実施先に登録しているeネット社会広聴会員 2,111人(男性909人、女性1,202人)
  • 調査方法
  • インターネット調査

調査結果の概要

わが国は2005年以降、人口減少局面に突入し、現在の少子化傾向のまま推移した場合、2055年時点の人口は、現在より3割減少し約9000万人になる見通しである。少子化対策に関する累次の報告書・計画が出されているが、残念ながら、期待される成果は得られておらず、一方、少子化対策の重要性に早くから気付き政策転換を図った国々においては、積極的な財政投入に加え、出産・子育ての素晴らしさを訴えるポジティブキャンペーンを展開するなどして成果を挙げている。そこで、(財)経済広報センターは、当センターの社会広聴会員を対象に、少子化問題に関しての意識調査を行なった。まず、少子化がわが国の将来に及ぼす影響について尋ねたところ、「十分知っていた」は19%で、2割ほどの水準に留まっている。しかし、これに「漠然と知っていた」72%を合わせると91%に達することから、9割以上の生活者は、少なくとも少子化が将来に何らかの影響を及ぼすという認識を有しているといえる。男女別では、「十分知っていた」は男性が女性より12pt高く26%、「漠然と知っていた」68%を合わせると94%となり、女性(88%)より6pt高い。政府が近年実施している『子ども・子育て応援プラン』などの少子化対策についての認知度を見ると、「内容を十分に知っている」6%と「聞いたことがあり、内容を少し知っている」52%を合わせると、58%である。政府の取り組みが、十分に浸透しているとは言い難い。結婚している/していない、子どもがいる/いないで見ると、結婚していない人より結婚している人が、子どもがいない人より子どもがいる人が、政府の少子化対策についての認知度が高い。政府が発表した追加経済対策のうちで、最も評価が高かったのは「保育サービスの充実」68%で、「子育て世代への経済的支援」52%、「教育費負担の軽減」48%と続き、男女別で見ると、「子育て世代への経済的支援」が男性62%で「保育サービスの充実」と並び、最も高い回答である一方、女性では44%で6項目中5位に留まっている。男性の方が、女性より経済的支援への期待が高い。ワーク・ライフ・バランスの認知度は、「内容を知っている(十分に/ある程度)」が58%。男女別では、男性が60%、女性は55%と若干男性の認知度が高く、実現のために企業が行っている取り組みで最も期待するものは、「育児あるいは介護のための短時間勤務制度」63%、次いで「育児・介護休業制度の充実」54%となっている。男女別では、「育児あるいは介護のための短時間勤務制度」が男性53%、女性は70%。「育児・介護休業制度の充実」が男性50%、女性は57%と上位2項目において、男性以上に女性の期待は大きい。加えて、「復帰支援・能力開発支援の充実」についても、男性が39%であるのに対し女性が52%で13pt高くなっている。政府が2007年(平成19年)に定めた「家族の日」「家族の週間」については、全体の78%が「知らない。初めて知った」と回答している。男女別に見ても大きな差はない。

調査結果

少子化が及ぼす影響についての認識(全体・男女別) (単位:%)
政府の少子化対策への認知度(全体・男女別・結婚・子ども) (単位:%)
政府の追加経済対策への評価(全体・男女別) (単位:%)
全体男性女性
保育サービスの充実(「安心こども基金」による保育所・学童等の整備)686271
子育て世代への経済的支援(「子育て応援特別手当」の支給)526244
教育費負担の軽減(授業料減免や奨学金事業の支援など)484947
出産に関わる経済的支援(妊婦健診の無料化、不妊治療の助成など)474647
従業員の育児支援を行なう企業への助成(「中小企業子育て支援助成金など」413645
ひとり親家族・社会的擁護等への支援の拡大201821
  “ワーク・ライフ・バランス”が実現した社会とは、国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会のことです⇒右上の質問へ
ワーク・ライフ・バランスへの認知・理解度(全体・男女別) (単位:%)
ワーク・ライフ・バランス実現のために企業に期待する取り組み(全体・男女別) (単位:%)
全体男性女性
育児あるいは介護のための短時間勤務制度635370
育児・介護休業制度の充実545057
フレックスタイム制度474548
復帰支援・能力開発支援の充実473952
仕事の進め方の見直し、効率化の推進(組織のフラット化、会議回数の削減など)373936
年次有給休暇の取得促進353834
テレワーク・在宅勤務333234
業務所内保育施設の設置322935
所定外労働時間の削減252723
裁量労働制151912
ノー残業デーの設定141513
専門部署(ワーク・ライフ・バランス推進室等)の設置121510
少子化対策の国民運動(「家族の日」「家族の週間」)の認知度(全体・男女別) (単位:%)
調査実施先:(財)経済広報センター