パンデミックに関する意識調査

  • 調査期間
  • 2009/08/20~2009/08/31
  • 調査対象
  • 実施先に登録しているeネット社会広聴会員 2,179人(男性920人、女性1,259人)
  • 調査方法
  • インターネット調査

調査結果の概要

今春、メキシコで多数の死者を出し、その後、全世界に感染が拡大した新型インフルエンザ。日本でも感染者が続出し、厚生労働省は8月下旬、インフルエンザ流行期に入ったと発表した。(社)経済広報センターは、全国の様々な職種、世代で構成される当センターの社会広聴会員を対象に、パンデミックに関するアンケートを行なった。その結果、パンデミックについて、「知っていた」との回答は65%。これに、「聞いたことはあるが、正確には知らなかった」26%との回答を含めると、9割以上の生活者がパンデミックについて、「知っていた」か「聞いたことがある」。男女別に見ると、「知っていた」は、男性が69%、女性が61%となっており、男性の方が8ポイント高い。新型インフルエンザに対する国の一連の対応については、「高く評価する」との回答が6%、「ある程度評価する」59%との回答を含めると、65%となる。生活者は、国の対応について一定の評価をしているようだ。男女別に見ると、「高く評価する」と「ある程度評価する」を合わせた回答は男女ともに65%で、差は見られない。また、国の対策で、評価が高い(「適切」)のは、「国民への迅速な情報提供と注意喚起」55%。一方、評価が低い(「不十分」)のは、「抗インフルエンザウイルス薬の備蓄・予防投与やワクチンの開発・製造」77%だった。新型インフルエンザに対して、個人が実際にとった対策は、「外出後のうがい、手洗いの徹底」88%が最も多く、「咳エチケットの徹底」65%、「インフルエンザの状況に関する情報収集」60%と続き、男女別に見ると、ほぼすべての項目において、女性の回答割合が高くなっており、女性の方がインフルエンザ対策に積極的に取り組んでいることが窺える。今後、企業に求めるパンデミック対策は、「感染による欠勤者が出ても、事業を維持・継続できる体制の整備」「従業員への問診、検診などの徹底(感染者の確認)」同52%で最も高く、次いで、「ラッシュアワーを避ける時差出勤や自家用車などによる出勤の促進」49%となっている。男女別に見ると、特徴が出たのは「日用品、食料品などの自発的な提供」で、男性が11%、女性が22%と、女性の回答割合が男性の倍になっている。新型インフルエンザをめぐる一連のマスコミ報道については、「高く評価する」との回答が4%であり、「ある程度評価する」54%との回答を含めると、58%となる。一連のマスコミ報道については、一定の評価をしている生活者が多いといえる。男女別に見ると、「高く評価する」「ある程度評価する」を合わせた回答は、男性56%、女性60%と男女の間に大きな差は見られない。

調査結果

  パンデミックとは、ある感染症(特に伝染病)が世界的に流行することを表す用語で、ヒトからヒトにうつる伝染病の場合、最初に感染した患者が感染源となって別のヒトに伝染するため、しばしば規模が大きく、長期に亘る集団発生が起きる場合がある。このようなものを特に“流行”と呼び、“流行”は、その規模に応じて、(1)エンデミック、(2)エピデミック、(3)パンデミックに分類される。このうち最も規模が大きいものがパンデミック(流行の規模が大きくなり、複数の国や地域に亘って、即ち、世界的・汎発的に、さらに多くの患者が発生するもの)である。
パンデミックの認知度(全体・男女別) (単位:%)
新型インフルエンザに対する国の一連の対応への評価(全体・男女別) (単位:%)
新型インフルエンザに対する国の各対策への評価(全体) (単位:%)
適切不十分過剰分からない
発生国などからの航空機、船舶の検疫体制の強化5416228
感染者および接触者への隔離措置、健康監視の強化5216258
医療体制の整備(発熱外来対応の充実、入院病床の確保など)2957410
抗インフルエンザウィルス薬の備蓄・予防投与やワクチンの開発・製造137719
国民への迅速な情報提供と注意喚起5528125
国民への感染防止策の周知など、公衆衛生対策の強化493957
専用の相談窓口の充実3840220
学校や保育園などへの迅速な臨時休業の要請46172017
電力、ガスなど社会機能の維持にかかわる事業者に対する事業継続要請3713346
個人が実際にとった新型インフルエンザ対策(全体・男女別) (単位:%)
全体男性女性
外出後のうがい、手洗いの徹底888690
咳エチケットの徹底656168
インフルエンザの状況に関する情報収集605763
医薬品(鎮痛剤、風邪薬、マスクなど)の備蓄595364
人混みや繁華街への不要不急な外出の自粛565458
政府・自治体が出しているガイドラインなどのチェック272628
食料品、生活必需品の備蓄221627
発病時の看護方法などについての、家族や知人との相談161417
緊急時の協力・助け合いについての地域住民との相談232
その他333
特に対策はとらなかった343
企業に求めるパンデミック対策(全体・男女別) (単位:%)
全体男性女性
感染による欠勤者が出ても、事業を維持・継続できる体制の整備525153
従業員への問診、健診などの徹底(感染者の確認)525451
ラッシュアワーを避ける時差通勤や自家用車などによる出勤の促進494750
不要不急な業務の縮小など、必要な業務の絞り込み444742
在宅勤務の促進444445
出張や会議、イベントなどの自粛・中止444245
従業員への感染防止訓練の徹底、啓発414340
日用品、食料品などの自発的な提供171122
ボランティアなどへの積極的な人員の派遣454
一連の報道への評価(全体・男女別) (単位:%)
調査実施先:(財)経済広報センター