第一生命経済研究所「顧客窓口の利用実態と不便さ」

  • 調査期間
  • 2008/11~2008/12
  • 調査対象
  • 全国の一般消費者(480人)、20歳以上の首都圏在住の聴覚障害者(147人)及び視覚障害者(94人)
  • 調査方法
  • 郵送法、手交etc

調査結果の概要

(株)第一生命経済研究所では、一般消費者、聴覚障害者、視覚障害者を対象に、標記についてのアンケート調査を実施した。それによると、この1年間に行なった予約・申し込み等の手続きは、一般消費者では、「病院の予約」74.6%、「通信販売の商品の注文」67.7%、「電車・飛行機などのきっぷの予約」48.1%が上位に挙げられた。また、聴覚障害者、視覚障害者の上位4項目にもこれらと同じ項目が入っている(ただし、視覚障害者においては「レストラン・居酒屋などの予約」が「ホテルの予約」と同割合で4位にランクされている)。そして、これら予約・申し込み等の手続き方法の頻度を見ると、一般消費者では、『電話』92.8%、『対面』86.7%の順に多く、聴覚障害者では、『対面』90.3%が最も多く、次に『メール』79.9%、『ファックス』76.4%、『HP』75.0%が7割台後半。一般消費者に比べると、『電話』の割合が低く、『ファックス』『メール』『HP』の割合が高くなっている。視覚障害者では、『電話』95.7%と『対面』90.2%が9割以上、『HP』69.6%と『メール』68.5%が7割弱。一般消費者と比べると、電子媒体である『メール』と『HP』の割合は高く、対人である『対面』と『電話』の割合は同程度、紙媒体である『ファックス』と『郵便』の割合は低いことがわかる。予約・申し込み等の手続きを行なう際に便利な方法では、一般消費者では、『電話』67.9%が、聴覚障害者では『メール』と『HP』(それぞれ55.8%)が最も多く、一般消費者に比べると『電話』の代わりに『メール』『HP』『ファックス』が便利だと評価されているといえる。視覚障害者では一般消費者と同様に『電話』74.5%が最も多くなっている。2位と3位は一般消費者と順位が入れ変わり、『HP』54.3%と『対面』51.1%。一般消費者に比べると『郵便』『ファックス』という紙媒体以外の方法が評価されている。電話が難しいためにサービスの予約や申し込みなどをあきらめることがどの程度あるか?を聴覚障害者に尋ねたところ、「よくある」38.1%と「ときどきある」36.7%を合わせた割合は74.8%。次に、電話以外の方法でも諸手続きをできるようにしてほしいと思うことがどの程度あるか?を尋ねると、「よくある」58.5%が6割近くとなっており、「ときどきある」23.8%を加えると8割を超える。視覚障害者に対しては、書類の読み書きが難しいためにサービスの予約や申し込みなどをあきらめることがあるかどうか?も尋ねた。「よくある」が7.4%、「ときどきある」が37.2%となった。

調査結果

この1年間に、次にあげる予約・申し込み等の手続きを行ないましたか?(複数回答) (単位:%)
一般消費者聴覚障害者視覚障害者
病院の予約74.653.162.8
通信販売の商品の注文67.753.773.4
電車・飛行機などのきっぷの予約48.166.760.6
ホテルの予約48.159.253.2
クレジットカードや講座の申し込み・変更など金融に関する手続き47.740.137.2
レストラン・居酒屋などの予約46.749.053.2
イベント・講演会などの申し込み39.631.334.0
そば・ピザなどの出前の注文32.521.142.6
電話やインターネットの申し込み・変更などに関する手続き31.930.639.4
演劇・コンサートなどのチケットの予約30.815.042.6
粗大ゴミを捨てる手続き21.929.327.7
ガス・電気・水道の申し込み・変更などの手続き17.917.022.3
公民館などの公共施設の予約15.217.717.0
福祉制度の利用に関する手続き13.841.547.9
住宅の貸し借りや売買など不動産に関する手続き11.315.014.9
どれもない1.00.72.1
上記にあげた予約・申し込み等の手続きについて、次の各方法で行なった頻度を教えて下さい(上記設問で「どれもない」以外を選んだ人)
<「よくあった」「ときどきあった」「あまりなかった」の合計の割合> (単位:%)
一般消費者聴覚障害者視覚障害者
対面86.790.390.2
電話92.870.895.7
ファックス38.676.422.8
郵便70.566.058.7
メール50.679.968.5
HP51.575.069.6
次に挙げる方法のうち、予約・申し込み等の手続きを行う際に便利な方法はどれですか?(3つまで選択) (単位:%)
一般消費者聴覚障害者視覚障害者
対面40.642.251.1
電話67.94.874.5
ファックス17.938.13.2
郵便30.49.511.7
メール19.855.842.6
HP38.355.854.3
電話が難しいためにサービスの予約や申し込みなどをあきらめることがどの程度ありますか?(聴覚障害者対象) (単位:%)
電話以外の方法でも予約・申し込み等の手続きをできるようにしてほしいと思うことがどの程度ありますか?(聴覚障害者対象) (単位:%)
書類の読み書きが難しいためにサービスの予約や申し込みなどをあきらめることがどの程度ありますか?(視覚障害者対象) (単位:%)
http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/ldi/news/news0905.pdf
調査実施先:(株)第一生命経済研究所