企業における中堅社員の現状に関する調査

  • 調査期間
  • 2009/02/10
  • 調査対象
  • 中堅社員育成をテーマにしたフォーラム参加者(人事・教育担当者など) 69人
  • 調査方法
  • 自記式法

調査結果の概要

企業・行政体の人材育成支援や経営指導を行う(学)産業能率大学総合研究所は、企業における中堅社員育成の現状や、役割の遂行状況等に関する調査を行いました。それによると、中堅社員育成の取り組み状況について、教育的施策では「階層別の役割認識研修」が最も多く50.7%。しくみの面では、「OJT制度」が55.1%で取り組まれているものの、これに続く「メンター制度」は23.2%、「プロジェクトリーダー制度」は7.2%でした。今後強化したい取り組みについても聞いてみると、教育的施策では、「階層別の役割認識研修」44.9%をさらに強化したいという声が多数を占め、これにつづくのは「キャリア開発研修」26.1%でした。しくみの面では、「メンター制度」が最も高く、20.3%でした。中堅社員の役割として、特に重要だと思うものを聞いたところ、「職場の後輩を計画的に指導・育成する(後輩の育成)」72.5%がトップでした。これに、「日常の業務を振り返り、主体的に効率化する(自業務の改善)」56.5%が続き、「目標達成に向けて、具体的に手段を考え、計画化する(シナリオ構築)」、「職場内のメンバーとの人間関係を円滑にし、職場の連帯感を向上させる(職場の活性化)」同55.1%も5割を超えています。「後輩から信頼され、仕事面以外でのよき相談役になる(メンター的振る舞い)」、「突然の状況変化や、意見の対立場面において柔軟かつ的確に対応する(的確な状況対応)」同49.3%を求める声も5割弱あります。この結果から、現在の中堅社員には、非常に幅広い役割が求められていることが分かります。中堅社員の役割の遂行状に関する評価を見ると、中堅社員に最も求められる役割「後輩の育成」については、あまり遂行できていないことが分かります。また、求める声は多くありませんでしたが、「業務の革新」はほとんど遂行できていないようです。中堅社員の育成に関連した取り組みとして、今後、導入あるいは強化したいことを聞きました。その結果、「次世代リーダーの育成」36.2%がトップ。これに続いていたのは「組織風土改革」27.5%。従業員がお互いに影響を与え合い、学習する組織を作りだそうとする意図が感じられます。

調査結果

中堅社員育成の取り組み状況について
<教育的施策> (単位:%)
<しくみ(現状)> (単位:%)
中堅社員育成について今後強化したいこと
<教育的施策(強化したい取り組み)> (単位:%)
<しくみ(強化したい取り組み)> (単位:%)
中堅社員に求める役割(5つまで回答) (単位:%)
中堅社員の役割の遂行状に関する評価 (単位:%)
中堅社員に関連する施策として、今後に導入・強化したいこと (単位:%)
調査実施先:学校法人 産業能率大学