第一生命経済研究所「景気見通しと結婚・出産意欲の関係」 |
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調査結果の概要
(株)第一生命経済研究所では、25歳から39歳の男女を対象に、標記についてのアンケート調査を実施した。まず、1年前に比べて、現在の日本の景気は悪くなったと思うかを尋ねると、78.0%の人がそう思う(「全くそう思う」と「そう思う」の合計)と回答した。また、これから数年間、日本の景気は現在と比べて悪くなると思うかを尋ねると、72.1%の人がそう思う(「全くそう思う」と「そう思う」の合計)と回答。以上から、多くの人がわが国の景気は悪くなってきており、今後についてもかなり悲観的に見ている事がわかる。雇用者を対象に、今後数年間の自分の収入の見通しを聞くと、約半数が「変わらない」49.2%と考えている。未婚者に、今後結婚したいと思うかどうかを問うたところ、約5割が「したい」(「したい」と「なるべくしたい」の合計)と回答。一方「したくない(「したくない」と「あまりしたくない」の合計)という人も2割いる。今後数年間の自分の収入見通しと結婚意欲の関係を見ると、今後自分の収入が「増える」と回答した者よりも、「変わらない」または「減る」と回答した者の方が、結婚意欲は低くなっている。出産意欲について、現在子供が1人の人の約8割、2人の人の約4割が、さらにもう1人子供を欲しい(「欲しい」と「どちらかといえば欲しい」の合計)と回答している。そして、今後の景気見通し別に出産意欲を見ると、現在子供1人の人については、景気見通しで出産意欲が大きく変わる事はなく、むしろ景気見通しが悪い人ほど、出産意欲が高くなっている。一方、現在子供2人の人の場合では、景気見通しが悪いほど、出産意欲が低下している。さらに、既婚男性について、今後の自分の収入見通し別に出産意欲を見ると、現在子供1人の場合、今後の収入が増えると思う人ほど、「欲しい」という回答が多くなる。ただし、「欲しい」と「どちらかといえば欲しい」の合計を見ると、自分の収入見通しと出産意欲の関係は不明瞭。現在子供2人の人の場合も、今後の自分の収入見通しが悪いほど、出産意欲が下がるというような関係は見られなかった。