在中日系企業における中国人スタッフの意識調査 |
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調査結果の概要
産業能率大学の付属施設「国際経営研究所」は、北京などに所在する日系企業に質問紙を郵送し、「在中日系企業における中国人スタッフの意識調査」の結果をまとめた。まず、日系企業に対するイメージを聞いたところ、「製品が良い」53.8%、「まじめ」46.2%、「強いチームワーク」44.1%、「高品質」34.4%といった項目が上位に並ぶ。一方で、「保守的」、「上下関係がはっきりしている」同29.0%、「昇進するチャンスが少ない」25.8%といった否定的な項目も3割弱に及ぶ。日系企業の技術力、日本人の仕事に取り組む姿勢、品質の良さなどを高く評価しているものの、人事制度や処遇にはあまり印象が良くない模様。日系企業を志望した理由では、半数の回答者は「日系企業から多くを学べる」51.6%を挙げた。日系企業に就職した結果、良かった事を聞くと、「日本人の仕事に対する態度を学んだ」67.7%が3分の2以上、「キャリア・アップに繋がった」52.7%も半数を上回っている。一方で「給料が高い」という回答者は全くなかった。在中日系企業で働く中国人スタッフは、給料は決して高くないものの、学ぶ事が多く、自分自身にとってプラスになると考えているようだ。反対に困った事では「日本人とのコミュニケーションが取りにくい」34.4%がトップ。これに「給料が低い」30.1%が続いている。日系企業の『現地化』のレベルを知るために、管理職に占める中国人の割合を問うと、課長では「中国人が多い」48%、「全員中国人」14%をあわせた『中国人中心』という回答が62%に達し、過半数を占める。一方、『日本人中心』となっている企業は29%。部長以上でも、『中国人中心』は47%の一方、『日本人中心』は38%で、中国人中心の企業がやや多い印象。「人材」の面では、ある程度の現地化が進んでいると言えそうだ。転職意向について聞いたところ、「考えていない」が65%に達している。