癒しとスピリチュアルに関する調査

  • 調査期間
  • 2008/07/31~2008/08/01
  • 調査対象
  • 20歳~59歳のインターネットユーザー 2,000人
  • 調査方法
  • インターネット調査

調査結果の概要

従来より精神世界に関連する市場は、極めて限定された層において存在していた。しかし、昨今、『目に見えない世界(オーラ等)』を扱ったメディアなどによって、スピリチュアルは女性を中心とした幅広い層に受け入れられて一大ブームとなり、関連書籍をはじめ、パワーストーンなどのグッズやヒーリングなどのサービス業の市場が一気に顕在化した。その一方で、消費者の弱みに付け込んだ悪徳商法の被害も増大している。しかし、このように、スピリチュアル・マーケットが存在感を増しているのにも関わらず、それに関する体系的な調査は殆んど存在せず、マーケットの現状(どんな人の消費が多いのか、消費者が何を求めているのか等)は明らかではなかった。今回、これまで推測の域を出なかった同市場の消費実態を行なった。まず、利用した事がある癒し・スピリチュアル系商品・サービスの数を男女別で比べると、「0個(なし)」は男性の場合、45.8%に対し、女性では24.2%だった。男性の4人に1人が「1個」24.2%利用した事があると回答し、女性21.6%を上回ったが、「2個~」になると、いずれも女性の数値は男性の数値を上回っている。「過去に利用した事があるが現在は利用していない」「現在利用している」癒し・スピリチュアル系商品・サービスでは「神社仏閣のおみくじ、お守り、数珠など」63.9%と「お賽銭、お布施、寄進等」59.0%の2つが多く、およそ6割を占めている。スピリチュアル消費は性年代などの属性で大きく異なり、その種類にもよるが、概ね、女性が男性を大きく上回っている傾向が見られる。例えば、対面での『占い・相談・鑑定』については、男性全体の12.9%(「過去に利用した事があるが、現在は利用していない」+「現在利用している」の合計)に対し、女性全体では32.4%(同)と3割を超えている。特に、30代と40代の女性では各々42.4%、36.0%に及んでいる。

調査結果

利用した事がある癒し・スピリチュアル系商品・サービスはいくつありますか? (単位:%)
012345678910
男性(%)45.824.213.18.03.72.11.10.50.10.30.1
女性(%)24.221.618.511.67.95.33.42.01.31.00.3
注)“神社でのお賽銭、お布施、寄進”“おみくじ、お守り、数珠”を除く「過去に利用した事がある」及び「現在利用している」商品・サービスの個数
癒し・スピリチュアル系商品・サービスの利用状況(「過去に利用した事があるが現在は利用していない」+「現在利用している」割合の多い順:全体) (単位:%)
対面での“占い・相談・鑑定”の利用状況 (単位:%)
【参考】
  スピリチュアル・ビジネスを利用する目的やメリットを尋ねたところ、商品・サービスによって、<悩みに対する助言が欲しい><暇つぶし><リラックス・ストレス解消(心身の不調改善)><運を良くする、ご利益>etcに大別された。さらに、それ以外に、自己啓発に関連する項目が続いた。一方、<どうすべきか決めて欲しい>といった依存を窺わせるものや<話し相手が欲しい>といった孤独解消、<超能力をつける>などは少なかった。同様に、悩みや相談の内容についても尋ねると、<わからない、特にない>が多く、目的意識の乏しさが窺えた。それ以外では、商品・サービスによって<恋愛>と<心身の不調、疲れ、エネルギーの乱れの改善>が特に多いものに大別された。
利用する目的やメリット
最も多い利用目的商品・サービス
悩みに対する助言が欲しい・対面での「占い・相談・鑑定」
・催眠術・ヒプノセラピー(過去世療法)
暇つぶし・電話、Web・メールなどでの「占い・相談・鑑定」相談
・携帯サイト、ゲーム機器などでの「占い・相談・鑑定」ゲーム
・スピリチュアル・占い開運書籍
リラックス・ストレス解消
(+心身の不調改善)
・ヒーリング、レイキ
・オーラソーマ、カラーセラピー
・占い、ヒーリング、瞑想・呼吸法などのスクール・教室
・ヨガ教室
・気功、太極拳などの教室
・ヒーリングミュージック、瞑想用CD・DVD
・パワースポット・ツアー、癒し目的の旅行(国内)
・パワースポット・ツアー、癒し目的の旅行(海外)
運をよくする、ご利益・パワーストーン、カード、エッセンスなど
・お賽銭、お布施、寄進等
・神社仏閣の座禅、写経、お祓い、祈祷など
・神社仏閣のおみくじ、お守り、数珠など
・宗教法人が販売する印鑑、壷、絵画、食品など
集中力を養う・古武術などの教室
悩みを聞いて欲しい、分かって欲しい・臨床心理士やカウンセラーなどによるカウンセリング、心理療法
悩みや相談の内容
最も多い相談内容商品・サービス
恋愛・対面での「占い・相談・鑑定」
・電話、Web・メールなどでの「占い・相談・鑑定」相談
・携帯サイト、ゲーム機器などでの「占い・相談・鑑定」ゲーム
心身の不調、疲れ、エネルギーの乱
れの改善
・ヒーリング、レイキ
・オーラソーマ、カラーセラピー
・占い、ヒーリング、瞑想・呼吸法などのスクール・教室
・催眠術、ヒプノセラピー(過去世療法)
・ヨガ教室
・気功、太極拳などの教室
・古武術などの教室
・パワーストーン、カード、エッセンスなど
・スピリチュアル・占い関連書籍
・ヒーリングミュージック、瞑想用CD、DVD
・パワースポット・ツアー、癒し目的の旅行(国内)
・臨床心理士やカウンセラーなどによるカウンセリング、心理療法
目的意識薄い・お賽銭、お布施、寄進等
・神社仏閣の座禅、写経、お祓い、祈祷など
・神社仏閣のおみくじ、お守り、数珠など
生活改善、人生の目的・パワースポット・ツアー、癒し目的の旅行(海外)
・宗教法人が販売する印鑑、壷、絵画、食品など
【参考】
  従来、スピリチュアル消費の背景としては、核家族化やストレスの増大に伴う孤独や不安等が挙げられていたが、本調査の結果を見る限り、影響が大きいのは「テレビや雑誌の健康情報があればチェックする」「人の話を信じやすい」など“信じやすさ”“従順さ”、「人に気に入られたい、評価されたい」「人の目が気になる」といった“過剰な自意識”“自信のなさ”等である。「孤独を感じる」「自分の将来に不安を感じる」「(自分は)健康な方だ」などは比較的関連性が低く、「幸せだ」「ストレスがある」については若干関連が認められた。
調査実施先:三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)