子育て家族の食卓調査~「つなぐ」「ひらく」食卓のために~

  • 調査期間
  • 2007/11
  • 調査対象
  • 首都圏・近畿圏・その他エリア(人口50万人以上の都市を除く)に在住する主婦 600人
  • 調査方法
  • インターネット調査

調査結果の概要

食卓は楽しさ優先で、躾は後回し―。家庭の食事について、サントリー(株)次世代研究所が小中学生の子供がいる全国の主婦600人に尋ねた調査で、このような傾向がある事がわかった。食卓に家族が全員揃うのが「週に2回以下(「週に1~2回」「月に1~3回程度」「年に1~数回程度」「ここ1年以上ない」)」の家庭が朝食で65.2%、夕食で56.5%に上り、特に朝食では「ここ1年以上ない」が11.0%もあった。食事中の子供のマナーについて、97.2%もの主婦が「多少楽しい雰囲気が壊れても子供に注意や躾もしたい」2.8%よりも「家族との食事は楽しい雰囲気を保ちたい」を選んでおり、「いただきますなどの挨拶」や「箸使い」など食事に関して注意する事を尋ねると、しょっちゅう注意するという主婦は少なく、食事中の携帯電話の使用に対して『特に注意しない』とする主婦も20.0%いた。食事中には楽しい雰囲気が壊れるほど子供に注意する事がないため、マナーや躾を徹底する事が困難になっているのかもしれない。同研究所の松川美穂研究員は「家族が揃った食事は既に特別な出来事になりつつある。数少ない機会だからこそ、マナーの注意より楽しい雰囲気を、という思いが優先されるのでは」と分析している。食材や献立を決定する際のポイントを平日と週末別に見ると、平日は家族の健康を考えて「栄養バランス」や「価格面での節約」「調理の簡便さ」を重視。しかし、週末には「鍋や大皿料理など家族で楽しむ」や「子供の好み」などを考慮している。週末は「栄養」や「節約」の事はお休みして、子供や夫の好みに合わせて献立を決定するなど、家族が揃う週末の食卓を楽しもうとする様子が窺える。

調査結果

家族が揃う食卓はどれくらいありますか?(全体) (単位:%)
主婦の9割は「食事はできるだけ家族揃って食べたい」と思っている。しかし、平日の夕食の状況は6割が“父親が仕事で遅いため、母子のみの食事”と回答している。ゆえに、主婦は家族が揃うために自分が工夫できる事はないと諦めている様子。いまや家族が揃う夕食は“日常の一コマ”とは言いがたく、揃うことが困難な現代ではむしろ“希少な時間”と言えるだろう。
食事に関する事で子供に注意する事(全体)
 【A:家族との食事は楽しい雰囲気を保ちたい vs B:多少楽しい雰囲気が壊れても子供に注意や躾もしたい】 (単位:%)
 (単位:%)
食材や献立を決定する際のポイント(全体)
<平日> (単位:%)
<週末> (単位:%)
【作った食事に対して子供が意見や感想を言う?×料理は得意?
(A:得意です vs B:苦手です)】 (単位:%)
7割もの主婦が「料理は自分の仕事だと思う」と回答している。「料理が得意だ」と言う主婦も7割であった。料理は自分の役割と感じ、続けているうちに“得意だ”という自信につながるものかもしれない。作った料理に対して夫や子供が意見や感想を言う家庭では“料理は得意”とする主婦の割合が高く、献立決定の際に「調理の簡便さ」を重視する割合は減る。作った食事に対する反応は主婦の食事作りへの原動力になっているのだろう。
友人や友人家族、親や親戚を自宅に招く頻度(全体) (単位:%)
6割の主婦が自宅に友人や親戚を招くのは苦手だとし、実際に友人(51.0%)や親、親戚(46.0%)を「ここ1年以上招いていない」主婦は約半数となっている(主婦自身も4割が「ここ1年以上招かれたことがない」と回答している)。子供の友だちが自宅で一緒に食事をする事も、子供が友だちの家で食事をする事も「全くない」「あまりない」が多数を占めた。食事を伴う行き来は少なく、親も子供も自分の家庭と違う食文化に触れ合う機会は少ない様子だ。
調査実施先:サントリー(株) 次世代研究所