第一生命経済研究所「子供の学力格差を生む親の意識格差」

  • 調査期間
  • 2007/03
  • 調査対象
  • 全国の中学3年生までの子供を持つ父親・母親1,857人(父親927人、母親930人)及び小学4年生~中学3年生の子供548人
  • 調査方法
  • 質問紙郵送調査法

調査結果の概要

全国の小学4年生から中学生の子供を持つ父親・母親とその子供を対象に、標記についてアンケート調査を実施したところ、小学4~6年生の4人に1人(23.8%)は、休日に勉強を殆んどせず、また、中学生は勉強時間が長い(3時間以上が17.8%)子供と短い(殆んどしないが25.6%)子供とに別れている事が明らかになった。進学したいと考えている段階は、“大学・大学院”への進学希望の割合は小学4~6年生の男子は57.5%、女子は45.0%、中学生の男子は75.0%、女子は51.9%であった。男女を比較すると、女子よりも男子の方が大学・大学院への進学希望を持つ子供が多い。週あたり、親が子供に勉強を教えたり一緒に遊ぶ頻度を見ると、勉強を教える回数は小学4~6年生の場合は、父親が0.8回、母親が3.3回。中学生の場合は、父親が0.5回、母親が1.0回という結果が出た。子供の勉強時間の長さを左右する要因は?既存研究では、親の学歴や経済力等が低い子供よりも高い子供の方が勉強時間が長く、成績も良いことが指摘されているが、本アンケート調査では?父親(母親)の学歴が高い子供方が勉強時間が長く、父親の年収が高いほど勉強時間は長い事がわかった。さらに、親の学歴や経済力等のみでなく、父親・母親が子供に勉強を教える事が多い家庭の子供ほど、勉強時間が長いといえる。

調査結果

平日と休日の学校以外での勉強時間(小学4年生~中学生) (単位:%)
小学4~6年生中学生
平日休日平日休日
殆んどしない6.323.823.425.6
30分34.325.216.88.6
1時間台42.033.031.029.4
2時間台11.110.720.818.3
3時間以上6.37.38.117.8
どの学校まで進学したいですか?(小学4年生~中学生) (単位:%)
週あたり、子供に勉強を教えたり一緒に遊ぶ回数はどれ位ですか?(父親・母親) (単位:回/週)
小学4~6年生中学生
平日休日平日休日
子供に読み書きを含む勉強を教える0.83.30.51.0
子供と一緒に遊ぶ1.52.10.81.1
子供の食事、着替えなど身の回りの世話をする1.26.60.86.0
子供と学校での勉強の事について話す1.94.91.74.0
子供と学校の友達の事や遊びの事について話す2.15.61.94.8
勉強時間の長さを左右するものは?~父親の学歴別(※1)、年収別(※2)、父親・母親が勉強を教える事別(※3)に見た平日と休日の勉強時間 (単位:時間)
小学4~6年生中学生
平日休日平日休日
高校卒0.90.70.80.9
短大・高専卒1.01.10.60.9
大学・大学院卒1.21.11.41.5
500万円未満1.00.70.91.0
500~800万円1.11.11.11.3
800万円以上1.31.41.31.4
父なし母少0.90.71.11.2
父あり母少1.01.01.31.4
父なし母多1.20.90.91.2
父あり母多1.21.21.62.0
※1.勉強時間は小学4年生~中学生の子供の、学歴はその子供の親の回答。
※2.勉強時間は小学4年生~中学生の子供の、年収はその子供の親の回答。
※3.勉強時間は小学4年生~中学生の子供の、父親・母親が勉強を教えることはその子供の親の回答。
   母親が勉強を教える頻度が、小学4年生~6年生の場合は週3日以上か否か、中学生の場合は週1回
   以上か否かで分類。
http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/ldi/news/news0709b.pdf
調査実施先:(株)第一生命経済研究所