調査結果の概要
食育の実践において重要な役割を担っている学校栄養士(以降、栄養士と称す)と小学生の母親(以降、母親と称す)に対して、食育に関する意識や実態について調査を行ったところ、双方の間にはかなりの温度差がある事が明らかになった。まず、栄養士で食育を「知っている(「よく知っている」含む)」人は99.3%であるが、母親は65.0%に留まっている。現在、子供に“食育”を行っているのは?の設問に「学校」であると回答した割合が、栄養士では92.4%に達した。母親も同様であったが、その割合は75.0%に留まっている。食育が最も必要だと思う対象について、家庭の食事を管理する「母親」にこそ必要と感じている栄養士は79.3%。これに対し、自身でそう感じている母親は44.0%で、およそ6割が自分への食育の必要性を感じておらず、双方の認識のズレが窺える。食事のバランスガイドとメタボリックシンドロームの認知度を比べると、メタボリックシンドロームの認知は栄養士99.2%、母親78.3%と高かったが、食事バランスガイドの認知は、栄養士で98.2%だったが、母親では31.7%とまだ充分認知されていない模様。母親に尋ねた。一日のうちで子供と一緒に食事する時間は?平日の朝食をともにする母親は80.0%で、残りの20.0%の子供は孤食となっている。夕食は99.3%が子供とともにしている。休日の朝食になると、朝食をともにする母親は89.0%に増え、子供の孤食の割合は11.0%に減少する。学校の給食だよりを「毎回読む」と回答した母親は58.3%で、「たまに読む」33.7%を合わせると9割以上が給食だよりを読んでいる。