現代男性の性生活を中心としたライフスタイルに関する実態調査

  • 調査期間
  • 2006/09/23~2006/09/24
  • 調査対象
  • 首都圏在住の20代~40代の男性1,500人(各年代500人)
  • 調査方法
  • インターネット調査

調査結果の概要

電通サドラー・アンド・ヘネシー(株)は、ストレス社会と称される現在における20代から40代の各男性の性生活を中心としたライフスタイルの実態を調査しました。その結果、本調査は始めてのものであるため、定点データとしての時代比較はできませんが、“若者の性機能の低下”“元気のない20代・30代”という現代社会の実態が明確に浮き彫りになりました。今回の調査結果では、性機能面で“セックスレスの若年化”が目立ち、20代の16.0%、30代の28.4%が“セックスレス”(日本性科学会の定義による)であり、20代の27.4%、30代の37.8%が、既に“勃起機能の低下”を認識しています(認識した平均年齢は、対象者全体で33.6歳。こうした性機能の弱体化傾向の背景には、いわゆる団塊世代が元気な反面、これからの社会を担っていく20代、30代の若者が持つ社会的ストレスの強さが推測されます。今回の調査でも、20代の19.0%、30代の21.8%が“ストレスが非常にある”と回答しており、20代、30代の20.9%が“将来に希望がある”とは殆んど思っていませんでした。一方、“EDクリニックで治療する心因性EDの若者が増えてきている”という現状もあり、団塊世代より若い世代が持つストレスと悩みが性生活を含めたライフスタイルと機能に多大な影響を及ぼしている事が、今回の調査からも大いに推測されます。本調査結果の主たる概要ポイントは以下の通りです。

調査結果

【一般的な生活状況・ライフスタイルに関して】
1.現在の心境について
〈憂鬱になる頻度〉
調査対象者全体の過半数(58.9%)が、「時々」「かなり」「いつも」気分が沈んで憂鬱だ と回答しており、年代別では20代で「かなり」9.2%、「いつも」2.0%と回答している。
〈泣きたい気持ちになる頻度〉
全体の42.5%が「時々」「かなり」「いつも」と回答。特に20代では46.6%、30代では43.0%が「なる」と回答している。
〈生活に対する充実感〉
30代の68.8%が「殆んどない」13.4%または「時々しかない」55.4%と回答しており、全体平均の66.7%より高い。また、20代の14.6%も「殆どない」と回答しており、3つの世代のうち最も満足度が低い。
2.一般的な生活状況について
〈疲労感〉
「何となく疲れる」という回答は、30代が最も多く、同年齢層で「殆んどない」とした者は13.8%に過ぎない(調査対象者全体では16.0%)。
3.現在気になる症状上位6位(調査対象者全体) (単位:%)
※20代でも12.8%、30代で17.2%が「気になる」と回答。
4.ストレスについて
〈ストレスの度合〉
全体では85.3%が「多少ある」「非常にある」と回答。3つの世代のうちでは30代が「多少ある」66.0%、「非常にある」21.8%とトップ。
【性のライフスタイルに関して】
1.性的興味について
〈関心度〉
性的な事に「殆んど関心がない」と「時々しかない」と回答した40代は35.4%で、20代でも28.6%、30代は32.2%である。
〈欲求〉
女性に対する性交渉欲求は、「ややある」という消極的な回答を含めないと、全体で78.5%が「ある」と回答。一方で、20代では30代(3.2%)より多い、5.0%が欲求を持たない(「全くない」+「あまりない」)。
2.セックスの頻度
〈セックスレス〉
日本性科学会の“パートナーとのセックスが月1回未満の場合は、セックスレスとみなす”という定義に準じると、本調査結果では全体の27.6%が該当する。年代別では、40代(38.4%)、30代(28.4%)の順になるが、20代でも16.0%かセックスレスという結果になった。遠距離恋愛やパートナーの妊娠などの物理的な原因を除いた理由として、「何となく」「特にない」といった曖昧な回答が多かったが、同時に「相手から拒否されるため」という回答も目立つ。
3.セックスに対するイメージ
全体的には「愛」63.1%、「性欲」61.3%、「コミュニケーション」60.9%がトップ3。その一方で、20代で「習慣」13.6%、「義務」6.2%、「面倒臭い」8.0%、「嫌」0.8%、30代で「習慣」9.2%、「義務」7.8%、「面倒臭い」7.0%と回答している。
4.性生活の充実化
年代層による差異はあまりなく、全体の83.1%が「より充実させたい」と考えている。
5.セックスの重要性
全体では81.3%がセックスの重要性を認識。しかし、その一方で、20代の17.6%、30代の15.8%が重要性を否定している。
6.現在の性生活への満足度
全体では64.7%と過半数の回答者が不満を抱いている。年代別では30代が最も多く、68.8%。20代でも59.0%が不満を抱いている。
【EDに関して】
1.勃起機能の低下に関する認識
全体で38.3%が機能低下を認識。40代では約半数の49.8%、30代では37.8%、20代でも27.4%が機能低下を認識している(認識した平均年齢は33.6歳と回答している)。
2.勃起持続時間
全体では39.9%、30代で37.2%、20代でも33.0%が「不充分」と回答している。
3.EDか否かの認識
調査対象者全体での認識率は9.7%、20代7.0%、30代9.2%、40代13.0%であった(「そう思う」+「どちらかと言えばそう思う」)。全体の39.9%が「自分の勃起持続時間は不充分」と回答しているにもかかわらず、「自分はEDではない」と考えている。自分がEDであると認識している人が、始めてEDになったと思う年齢は全体平均で32歳であった。
4.ED治療に関して
ED治療治療受信者は全体の1.1%に過ぎない。また、年齢による差異は殆んどない。受診未経験者全体のうち、15.1%、20代は16.4%、30代は14.8%、40代は14.1%が受診を希望している。
調査実施先:電通サドラー・アンド・ヘネシー(株)