学校教育における『労働教育』に関する調査(1) |
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調査結果の概要
連合(日本労働組合総連合会)は、現在就業中の18歳~25歳の男女(アルバイト学生は除く)を対象に、「学校教育における『労働教育』に関する調査」を実施しました。はじめに、働いていて困った経験を尋ねたところ、「募集時の労働条件と実際の労働条件が異なった」27.2%が最も多く、次いで「所定の労働時間が守られなかった(早出や残業を強いられた)」23.7%、「職場の人から嫌がらせを受けた」15.6%が続きました。また、困った経験をしたことがある人の割合は58.0%と約6割であることがわかりました。困った経験をした際の対応として最も多かったのは「同僚(先輩・同期・後輩)に相談した」30.7%、次いで「親など家族に相談した」21.9%、「友人に相談した」21.6%、「上司に相談した」20.2%が続きました。一方で、「何もしなかった」は36.4%と3人に1人以上となりました。何もしなかった理由について、最も多かったのは「面倒だったから」で44.5%、以下、「改善されると思わなかったから」39.8%、「みんなもガマンしていると思ったから」29.4%といった“あきらめやガマン”が上位となり、「どうすればいいかわからなかったから」20.4%、「誰に相談すればよいかわからなかったから」17.1%といった、“対応の仕方がわからない”というケースも少なくはありませんでした。次に、勤務先に改善してもらいたいことを尋ねたところ、「賃金・給与(の増加)」49.7%が最も多くなりました。続いて、働く上での権利や義務について、内容を説明した上で、その内容を知っていたものを選んでもらったところ、認知率が半数以上となったのは「有給休暇」に関する内容64.9%、「雇用・労働契約」に関する内容63.4%、「最低賃金制度」に関する内容61.7%、「育児休業」に関する内容50.8%でした。また、「セクシュアル・ハラスメント」に関する内容の認知率は半数をわずかに下回る48.3%でした。((2)に続く)
調査結果
- 勤め先に改善してもらいたいこと(複数回答形式、n=1,000、5項目抜粋)
【全体・性別】(単位:%) - 【雇用形態別】(単位:%)
- 各項目に提示した内容
有給休暇 アルバイト・パートでも条件を満たせば有給休暇が取得可能であること 雇用・労働契約 使用者が労働者を採用するときは、賃金・労働時間その他の労働条件を書面などで明示しなければならないこと 最低賃金制度 最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないこと 育児休業 男性でも育児休業の取得が可能なこと セクシャル・
ハラスメント同性同士でもセクハラは起こり得ること(例)男性同士:職場の宴会で裸踊りを強要/女性同士:「なぜ結婚しないの」と聞く) 就業規則 就業規則に、労働基準法よりも労働者にとって条件が悪い条項がある場合、その条項は無効になること 労働災害 通勤中の負傷・疾病・障害・死亡も労働災害になること 退職 期間の定めのない雇用契約の場合、会社の同意がなくても退職できること(例:退職願を受け取ってもらえないから退職できない、ということはない) 解雇 労働者を解雇する場合は、少なくとも30日前の予告が必要であること 割増賃金 時間外労働をさせる場合、割増賃金の支払が必要になり時間外労働に対する割増賃金は、通常の賃金の2割5分以上となること 36協定 1日8時間1週40時間を超えて労働させる場合などに、あらかじめ労働組合(労働組合がない場合には労働者の代表)と使用者で書面による協定を締結しておかなければならないこと 労働組合 労働組合には、憲法で保障された団体交渉権(※)があること(※労働者の生活を守るため、労働条件その他の労働関係について会社側と交渉する権利) 相談窓口 労働問題の相談窓口は、労働組合やNPO、労働局(厚労省)、地方自治体に設置されていること - 働く上での権利や義務で内容を知っていたもの(複数回答形式、n=1,000、5項目抜粋)(単位:%)