電子書籍に関する意識調査

  • 調査期間
  • 2011/05/18~2011/05/23
  • 調査対象
  • ネットエイジアリサーチのモバイルモニター会員を母集団とする全国の15歳~59歳の電子書籍の利用経験者 1,000人
  • 調査方法
  • インターネット調査

調査結果の概要

東京工芸大学では、全国の15歳から59歳の電子書籍を利用したことがある人を対象に、電子書籍に関する意識調査を実施しました。電子書籍の利用経験者 (1,000人)に対し、最初に電子書籍を利用しようと思ったきっかけや理由を尋ねたところ、5割半が「無料の本が読めるから」54.7%、4割強が「インターネット広告を見て」41.0%と回答しました。費用をかけずに試せるサービスやWeb上の広告が最初のきっかけや利用理由となった人が多いようです。これまでに利用したことのある電子書籍ストアを尋ねました。1位はパピレスが運営する「電子書店パピレス」23.9%、2位はKDDIの運営する「LISMO!」20.9%、3位はNTTドコモの運営する「ドコモマーケットBOOKストア」17.1%となりました。電子書籍を購入したいと思う価格について質問してみました。定価1,000円で出版されている本と同じ内容の電子書籍を購入するとしたら、いくらまでなら購入したいと思いますか?平均値は「578円」となりました。定価の半額以下「0~500円」と回答した人が68.1%となり、定価と同額以上の「1,000円以上」でも購入したいという人は11.6%に留まりました。それでは、電子書籍の購入価格を下げるために書籍に広告を掲載する手法を利用者はどのように捉えているのでしょうか?電子書籍の広告掲載についてメリットとデメリットを説明(【メリット】書籍の購入価格が安くなる、または無料になる。【デメリット】データ容量が重くなったり、読書に集中できなくなったりする。)した上で、意見を尋ねたところ、「賛成(計)」が49.8%(「広告掲載に賛成」19.0%と「広告掲載にやや賛成」30.8%の合計)と約半数になり、「反対(計)」の13.1%(「広告掲載に反対」4.6%と「広告掲載にやや反対」8.5%の合計)より36.7pt高くなりました。電子書籍が安価になるのであれば広告の掲載を許容する人が多数派のようです。電子書籍の登場によって個人出版が容易になり、電子書籍ストアでは実際に個人の作品も公開されています。そこで、電子書籍で自分の作品を出版してみたいと思うか?尋ねたところ、「既に出版した」1.0%、「出版してみたいと思う」22.7%となり、電子書籍利用者の2割強が電子書籍で作家デビューをしてみたいと考えていることがわかりました。また、年代別で「出版してみたいと思う」と回答した割合をみると、10代では29.5%、20代では26.0%、30代では17.5%、40代では24.5%、50代では16.0%となりました。10代の3割は電子書籍で作家デビューしたい意向があるようです。読書の形態が紙媒体から電子書籍へ変化することによって利用者が期待しているものは何でしょうか?電子書籍化されたコンテンツに期待するものを尋ねたところ、「絶版本や貴重な資料の販売」との回答が最も多く65.9%、次いで「利用履歴を記録して自分の好みに合った内容が配信される機能」33.7%、「選択肢で物語が分岐する機能」29.3%となりました。リッチコンテンツ化した電子書籍の例を挙げ、リッチコンテンツ化したら手に入れたい電子書籍を尋ねました。「視聴やダウンロード購入ができる音楽誌」が32.8%で最も多く、次いで「アニメーションや効果音が追加されたアクション漫画・小説」27.0%、「視聴やダウンロード購入ができる映画情報誌」26.2%となりました。もし音声や動画、CGやアニメーションなどが付いたリッチコンテンツ化した漫画が出版されたら、読んでみたいと思う漫画のタイトルは何でしょうか?尋ねました。1位は「名探偵コナン」38.8%、2位は「ONE PIECE(ワンピース)」37.9%、3位は「風の谷のナウシカ」36.2%となりました。

調査結果

最初に電子書籍を利用しようと思ったきっかけや理由をお選びください。(全体:n=1,000)(複数回答形式)(単位:%)
これまでに利用したことのある電子書籍ストアをお選びください。(全体:n=1,000)(複数回答形式)(単位:%)
定価1,000円で出版されている本と同じ内容の電子書籍を購入するとしたら、いくらまでなら購入したいと思いますか。(全体:n=1,000)(自由回答形式)(単位:%)
電子書籍への広告掲載についてあなたの意見をお選びください。(単一回答形式)(単位:%)
電子書籍ストアで自分の作品を出版してみたいと思いますか。(単一回答形式)(単位:%)
電子書籍化されたコンテンツに期待するものをお選びください。(全体:n=1,000)(複数回答形式)(上位5位まで)(単位:%)
リッチコンテンツ化されたら手に入れたい電子書籍をお選びください。(全体:n=1,000)(複数回答形式)(上位5位まで)(単位:%)
リッチコンテンツ化されたら読んでみたいと思う漫画のタイトルをお選びください。(全体:n=1,000)(複数回答形式)(単位:%)
調査実施先:学校法人 東京工芸大学