全国自治体を対象にしたアンケート調査結果(2008年学校のトイレ研究会)

  • 調査期間
  • 2008/06
  • 調査対象
  • 全国の1,873ヶ所の教育委員会(回答数:324教育委員会、回答率:17.3%)
  • 調査方法
  • 郵送法

調査結果の概要

学校のトイレは和式から洋式へ―。学校のトイレ研究会が全国市町村の教育委員会を対象に実施した小中学校のトイレに関する調査でこの傾向が明らかになった。今日、学校でトイレを設ける(つくる)際には、およそ1割の自治体で、子供達の意見を反映したトイレづくりがなされている。その結果、7割以上の自治体が教育的効果が「あった(「大きな効果があった」17%を含む)」と回答している。具体的には、「子供達に好評」35%や「職員、PTAに好評」22%の他に、「子供達がトイレを清潔、大切に使うようになった」17%といった効果が見られた。防災避難場所として、学校のトイレの洋式化やバリアフリー化の必要性を感じている(「必要なので実施したことがある」51%+「必要なので実施計画がある」11%)自治体は62%で、車椅子トイレ(多目的トイレ)の整備状況を見ると、トイレ未改修の学校では42%に留まっているが、築5年または改修後5年未満の学校は88%が設置している。和式/洋式便器の設置状況についても、トイレ未改修の学校の場合、『和式のみ』7%、または『和式多い』が85%を占めるが、築5年または改修後5年未満の学校では37%と半分以下。トイレの清掃は?小中学校の殆ど(『用務主事のみ』と『清掃業者のみ』の割合を除く)で児童・生徒が行っており、湿式清掃~濡れた状態~は菌の繁殖・増殖を促してしまう事からも、近年(築5年または改修後5年未満の学校)では、湿式清掃から乾式清掃に転換を図る学校が増えている。

調査結果

児童・生徒参加型トイレづくり(※)実施率(n=329) (単位:%)
学校において、児童や生徒など子供達の意見を反映したトイレづくりを行っていますか?との設問に、約1割の自治体が「教職員」76%だけでなく、「子供達の意見(「参加型トイレづくりを積極的に展開している」4%+「計画の段階で、子供達の意見も聞き、改修にも反映している」5%)」も聞き入れていると回答している。
参加型トイレづくりを実施して、教育的効果はありましたか?(n=30) (単位:%)
どんな効果を感じられましたか?(効果があった自治体:n=39) (単位:%)
防災避難場所(注)として、学校のトイレの洋式化やバリアフリー化の必要性は感じられますか?(n=321) (単位:%)
注)学校のトイレは児童・生徒や教職員など学校関係者だけでなく、学校の地域開放時(今回調査で、82%の自治体が「学校の地域開放を実施している」と回答。「体育館」93%や「運動場」78%の開放が多く、「校舎の一部」29%も3割ほど)や災害避難場所となった際には、高齢者や身体の不自由な人も利用するため、ユニバーサルデザインが求められている。
車椅子トイレ(多目的トイレ)は設置されていますか? (単位:%)
トイレ未改修の学校
(築5年または改修後5年以上)
設置あり42
新築・改修済みの学校
(築5年または改修後5年未満)
設置あり88
今後の方針
(改修予定の学校等)
設置したい95
和式/洋式便器の設置数の比率は? (単位:%)
清掃担当者は誰ですか? (単位:%)
清掃方式(※)は乾式清掃、湿式清掃のどちらですか? (単位:%)
モップなどで乾拭きする乾式清掃と水を流してデッキブラシ等で清掃する湿式清掃
調査実施先:学校のトイレ研究会