第一生命経済研究所「高齢社会における難聴をめぐる問題」

  • 調査期間
  • 2007/12
  • 調査対象
  • 全国の50歳~74歳の男女 668人(男性339人、女性329人)
  • 調査方法
  • 質問紙郵送調査法

調査結果の概要

(株)第一生命経済研究所では、全国の50歳から74歳の男女を対象に、標記についてのアンケート調査を実施した。本調査では、周囲にいる難聴者の状況を知るため、これまで回答者の周りに耳が聞こえにくそうな人や聞こえない人(以下、「難聴者」)がいた事があるかどうかを尋ねた。「誰もいない」は15.6%で、難聴者の続柄は「自分の親」38.0%の割合が最も高く、次いで「友人・知人」23.2%、「配偶者の親」21.0%の順となっている。最も身近な難聴者の年齢(現在付き合いがある場合は現在の年齢、付き合いがない場合は付き合いがあった当時の年齢)は「80歳以上」47.4%が最も多い。難聴者が会話をする際に、ある状況になる事がどの程度あるかを尋ねた。『ある(「よくある(あった)」+「たまにある(あった)」)』と答えた人の割合が一番多かったのは、その人(最も身近な難聴者を指す。以下同じ)が「話を聞き間違える」79.1%。また、回答者が周囲の難聴者とのコミュニケーションに関して『感じる(「そう感じる(感じた)」+「ややそう感じる(感じた)」)』との割合が最も多かった悩みは「その人と話すと時間がかかる」53.2%だった。難聴者がある配慮を会話の相手に頼む事がどの程度あるかを尋ねた。『ある(「よくある(あった)」+「たまにある(あった)」)』と答えた割合で最も多かったのは「話をもう一度繰り返して欲しいと頼む」57.1%で半数を超えた。周囲の難聴者の生活に関して感じる不安な事は、およそ2人に1人が、その人が「外を歩く時に後ろから来る車や自転車に気づけるか」54.7%を挙げている。

調査結果

周囲にいる難聴者(n=668) (単位:%)
家族家族以外の人自分の親38.0友人・知人23.2配偶者の親21.0近所の人15.0おじ・おば12.4職場の人10.8祖父母12.3その他の人2.4配偶者11.4誰もいない15.5兄弟姉妹8.5子供・孫1.2その他の家族・親戚7.9
最も身近な難聴者の年齢(現在付き合いがある場合は現在の年齢、付き合いがない場合は付き合いがあった当時の年齢)は「80歳以上」47.4%が約半数で最も多く、次いで「70代」27.5%、「60代」14.7%となっている。つまり、60歳以上が約9割を占めており、最も身近な難聴者の多くは高齢者とみなせる。
難聴者の年齢(n=559) (単位:%)
難聴者のコミュニケーション上の問題(n=559) (単位:%)
難聴者とのコミュニケーションに関する悩み(n=559) (単位:%)
難聴者が会話の相手に配慮を頼む程度(n=559) (単位:%)
難聴者の生活に関する不安(n=559) (単位:%)
  http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/ldi/news/news0809.pdf  
調査実施先:(株)第一生命経済研究所